我が家は夫の実家の敷地内に建っているため、近所にはかつての同級生が今でも住んでいます。子どものときとは違い、それぞれの生活があります。近所に住んでいても何年も顔を合わせないこともあるわけです。
夫の同級生が亡くなっていた
先日、そんな中の一人が亡くなっていたことがわかりました。彼は離婚をして実家に帰ってきてからは、年老いた母親と暮らしていましたが、その母親は数年前から施設に入居。
父親は早く(少なくとも30年以上前)に他界。1歳年下の妹も、もう10数年前に亡くなっています。彼は広い日本家屋で一人暮らしをしていたのです。
自治会の回覧板が彼のところで止まってしまう、一向に回覧板を見ている様子がないと自治会の班長が気が付き、おかしいのではないかと言い出しました。ついに先日民生委員と警察が鍵を開けて家の中に踏み込み、廊下で倒れている彼が見つかったのです。
すでに亡くなってかなりの期間が経っており、いつ亡くなったのかもすぐにはわからない状態だったそうです。
唯一の身内である母親は、施設の中で身動きが取れません。何とか他に死後の手続きができる親族がいないかと周りの人たちが探していますが、なかなか見つけるのは難しそうです。
孤独死という言葉は最近よく聞きますが、実際に身近で起こるとちょっと考えてしまいます。周りの人の困惑が思いやられます。
この物価高で、誰もが自分の葬式だって出せるかわからない中で生活しているのです。他人の死を粗末にしてはいけないことはわかっていても、死後の手続きのあれやこれやをすべて負担するほどの心の余裕はないはずです。
一人暮らしをしているなら(誰もが最終的には一人暮らしになる可能性があります)、誰かにもしものことがあったら、こうして欲しいと伝えておくくらいはしておいた方が良いと思います。
お葬式をするなら費用はここにあるとか、お葬式は要らないから火葬だけにして欲しいとか、予め伝えておいてくれれば、周りは余計な気を使わずに済むのではないでしょうか。
孤独死そのものは悪ではない
誰にも看取られず亡くなるのは、もう仕方がないと思います。これは別に悪いことでもなんでもありません。病院や施設にいてもいつの間にか息を引き取っていたということはあるからです。それに私も母が亡くなるときには立ち会いましたが、別に私は居ても居なくても同じだと思いました。
ですが、長らく発見されないとなると話は別です。発見した人はきっと衝撃を受けるでしょう。回覧板は月に1~2度のことなので、異変に気づきにくいと思います。せめて新聞を取っていれば(新聞なら毎日来るからわかりやすいですよね?)、新聞受けがいっぱいになって気がついたかもしれません。
家の中で誰かが動けない状態になっているとき、外から見てすぐにわかる工夫ってできないでしょうか。今は新聞をやめてしまう人が多いし…何か他に良いものはないでしょうかね。
なんかいろいろと考えてしまいましたが、60歳ってそんな年なのかもしれません。まあ、私や夫が亡くなったら素早く処置ができるでしょう。これだけは家族がいると安心できるな、と思います。