新型コロナウイルスの感染を防ぐためには、今までの常識にとらわれない新しい生活様式を受け入れる必要があるそうです。中でも私たちが友人や職場の仲間と距離を縮めるため、家族と団らんをするために欠かせないと思われてきた食事の風景が変わりそうです。
向かい合っての食事はなくなる?
向かい合って会話をしながらの食事は飛沫感染の怖れがとても高いそうです。飛沫とは咳やくしゃみをしたときに飛び散る諸々のもののことですが、これは話をするだけでも飛び散るそうです。確かに口角泡を飛ばすという言葉があるように、話に熱中するとどうしてもつばが飛んでしまいます。
それを避けるために、日本では横並びに座ること、韓国では正面に向かい合うのではなく、斜め前に座ることを勧めています。かつて「家族ゲーム」という映画で登場人物たちが横一列に並んで食事をするというシーンがありました。あれは1つのテーブルについていながら、決して互いを見ていないという家族の姿を表していたと思いますが、今後はそれが正しい家族の姿になるのでしょうか。
私の知り合い(男性)が職場の同僚(男性)と2人でランチに行ったときに、テーブル席で隣に座られて、気まずい思いをしたそうですが、それも古い常識になるかもしれません。
斜め前なら気楽になるかも
でも斜め前に座る韓国式は日本でも広く受け入れられそうだと私は予想しています。そもそも正面に向かい合って食事(これには会話が付き物です)をしていると、ちょっと圧迫感を覚えることがあります。
私は相手の顔を見て話しているうちに、どこを見ればよいのかわからなくなってくることもあります。少し真正面からずれることで、人と会話をしながら食事をするのが気楽になるように思います。ちょっと恥ずかしがりやの人にとっては、これはよい習慣かもしれません。
ちょっと前まで個々で黙って食事していた
みんなで1つのテーブルを囲むという習慣、楽しく話しながらしゃべる習慣というのはそんなに古いものではないような気がします。私の母は子どもの頃、食事は1人ずつお膳があったといっていました。同じ部屋で食べていても、感覚としては個々での食事だったのではないでしょうか。
また、食事のときに話すと口の中のものが飛ぶ、といって禁止をされていたそうです。私は現在55歳ですが、小学校の低学年の頃までは食事中にしゃべるなといわれていました。それがいつの頃からか、食事のときには1日のことを報告しなさい(つまり楽しく話しながら食事をしましょう)という強制に変わっていきました。
私はなんだか楽しみ!
今新しい生活様式といわれて、反感を覚える人も多いようです。確かにどんなふうに食事をするかまで、誰かに指図されたくないという気持ちは私もわかります。でも、今の習慣もそれほど歴史がないのに、まるでそれが正しいように思っている人が多いですから、これから始まる習慣も時間がたたないうちに私たちの生活に馴染んでいくでしょう。
昔は向かい合って食事をしていたんだって。ずいぶんと気まずかっただろうね~。
こんなことを、みんながいうようになるかもしれませんね。これから新しい生活様式が常識になると、どんなふうに世の中が変わっていくのか、それを自分が見られるなんて、今から楽しみでもあります。