先日、夫が弟と話をしたとき、こんなことを言っていました。
俺もこの9月で定年になるんだよ。定年後の再雇用で会社と揉めてて、多分もう辞めることになると思う。だから、金のことではあまり助けにならないよ。今度はウチが困っちゃう。
それを横で聞いていた私は、少し違和感を覚えていました。再雇用の条件次第では辞めるとは聞いていましたが、夫の話では本当にもう辞めるのだという気持ちが伝わってきます。これはどういうことなのだろうかと思っている気持ちが夫にも伝わったのでしょう。
会社が示してきた再雇用の条件とは
電話を切ったところで、夫は自分からこう言ってきました。夫は再雇用の条件で揉めている最中だから、すべて終わって辞めると決まってから私に話をしようと思っていたそうです。それが弟と話しているときについ、先に言ってしまったわけです。
夫が会社から言われた再雇用の条件とは給与が今までの45%になるというものでした。それで出勤時間などは今までと同じなのだそうです。それでは時給に換算すると最低賃金を割り込むことになる、と夫が反論したところ、伝えに来た社員は「私にそんなことを言われても困ります」と言い、逃げるように席を外してしまいました。
夫は20年以上は現在の職場(ゴルフ場)でコース管理の仕事をしていました。毎朝5時に起きて6時半までには出勤をしています。大会などがあると、それがもっと早くなることもあります。夫は決して楽ではない仕事を真面目に勤めてきたと思います。
今までの夫の収入はとても年齢に見合ったものとは思われませんでした。それが再雇用と言えども、収入が現在の半分以下になるというのは、夫の誇りを著しく傷つける条件だったと言えるでしょう。夫だけでなく、夫が出勤できるようにサポートし続けた私の誇りも傷つけました。
夫の決断を尊重する
だから、夫は会社を辞める決断をしたのだろうし、私もそれを尊重するつもりです。多分、日本の多くの企業に夫のような人たちがたくさんいるのでしょう。年金を受給できる年齢までの5年間、無収入になるのも怖いし…と、収入が激減するにも関わらず企業の出す条件を無理やり呑んでしまう人も多いのだと思います。
しかし、それで良いのでしょうか。今まで貢献してきた人をないがしろにする企業など、先がないと思うのは私だけでしょうか。しかも会社側は、最後に残った有給休暇を使い切って辞めたいという夫の願いも受け入れようとはしません。これって働く側の当然の権利だと私は思っていました。
夫の再就職先によっては、やはり私は仕事をするべきだと考えています。我が家の大黒柱はもうかなり疲弊しています。家計の問題は夫一人で解決できるものではなく、一家全員で考えるべきです。次女にもこの話はしました。今までになく、次女も真剣に考えてくれているようです。この先どうなるのか、できれば年末くらいには「あのときは大変だったね~」と笑い話にできれば良いのですが。