連日、能登半島での地震被害についての報道が多く流れ込んできます。中には家族を救えなかったと言って悔やんでいる方もいて、辛いだろうなと思います。
昨夜もそんな後悔をテレビカメラの前で語っている男性を目にしました。彼は自分の父親が家屋の下敷きになっていることがわかっていましたが、津波警報を聞いてその場から避難をしたのです。
夫とは違う見方もあると言ったら…
涙を流しながら「父親を救えなくて、申し訳なかった」と語る男性の映像を目にしながら、夫がこんなことを言っていました。
そんなことを言っても仕方がない!津波が来たら、自分が死んじゃうかもしれないんだ。あんな大きな家の下敷きになった人を自分ひとりの力で助けるなんて不可能だから、逃げて正解だったんだよ。
確かに夫の言うことは正しいですが、それでも自分が助けられなかったと後悔するのが人間ではないでしょうか。
子どもより親が先に亡くなるのは当然のことだから、親を置いて逃げても私なら娘たちを責めません。きっと亡くなったお父さんも同じでしょう。それでも、自分が同じことをしなくてはならないときに、夫のように割り切れるのか、私には自信がありません。
「私はこの男性の気持ちがわかるような気がするよ。申し訳なかったと思っても仕方がないよ」と夫にも伝えました。
すると夫は「お前はすぐに俺の言うことを否定するんだな!じゃあこの人はお父さんと一緒に津波にのまれて死ねば良かったのか?!」と大きな声で言い返してきたのです。
なぜ、私が言ったことが夫を否定することになるのかまったくわからないし、そんなに自分を否定されることに神経質な性格なら、なぜ私の言うことを大声で否定しても良いと思うのか、と考えて悲しくなってしまいました。
夫はもともと声が大きく(最近は聴力が低下しているため、余計に声が大きくなった気がします)、怒っているような話し方ですが、「死ねば良かった」という強い言葉を使うのは初めてです。
あまりのことに私もそんな言葉を使われると怖いと言いましたが、夫の心には届いていないような気がします。
夫の文句だけを聞いていると疲れる
夫の理屈ではテレビを見て何を言っても(とにかく毎日テレビに向かって文句を言っています)、それは私に対して非難をしているわけではないそうです。それなのに、私がそれを否定するようなことを言うのはおかしいし、気分が悪いと言うのです。
夫がテレビの映像に何を言おうと夫の自由かもしれませんが、それなら私にも何かを言う自由はあると思います。それにいろいろな意見があることがわかった方が、結局はものの見方が広がって、面白いと思うのに…
自分が言うことを絶対に否定されたくないなら、一人でテレビを見ているしかないでしょう。しかし、我が家には夫婦の個室はありません。私は側で夫の文句をずっと聞かされているしかないわけです。
個室が欲しい
家を建てるときに個室を作ろうと提案したら、夫に拒否されました。これから家を建てると言うのに、私が個室に閉じこもることばかり考えていると言うのです。
昔は確かに一人になれる個室が欲しかったですが、今では夫に個室に閉じこもって欲しい、そして思う存分毒のある言葉を吐き出してから、家族の前に表れて欲しいです。
文句ってたとえ自分に言われているのでなくても、ずっと聞いているとストレスが溜まります。かつて販売職をしていたとき、お客様がいるすぐ側で店員が上司に叱られるということがありました。
それが長時間に及んだとき、お客様から「見ていると気分が悪い。怒るのはバックヤードでやってくれ」と、クレームが入りましたが、当の上司(当時60代男性)はなぜクレームが来たのかを理解せず、こう言っていました。
なんでクレームを言うの?お客様には関係ないことなのに。
お客様の面前で怒られていた社員はその後精神を病んで退職しました。上司は自分にも原因があるとは思ってもみないようで、「最近の若者は理解できない」と言っていましたが、わからない人には全くわからないのかもしれませんね…