昭和時代を様々な角度から眺めているらしいドラマ「不適切にもほどがある!」。
昭和時代を知っている人も知らない人も、いろいろな感想を持つらしく、今朝の新聞の投書欄にはドラマを見て思ったことを綴った人が何人かいらっしゃいました。
私はドラマを見ていないし、昭和時代に生まれたと言っても、過ごした時代は平成の方が長いです。昭和時代に人はこれだけたくさんの思いを抱くのだと知って、少々驚いています。なぜ、昭和はこんなに人々に気にされるのでしょう。
今もそんなに悪い時代じゃないよ
昭和時代に郷愁を感じるのは少しわかりますが、かといってあの頃に戻りたいとは思いません。確かにあの頃は正社員になるのが簡単で、待遇も今と比べるととても良かったです。しかし、あの頃を積み重ねた結果が今であるのもまた事実です。
あの頃に戻ってもう一度、バブルが弾けるのを見たいかと言われれば、私は決して見たくはありません。やっと何とかここまでやってこられたのですから、それをもう一度繰り返すのは勘弁して欲しいというのが本当のところです。
それに正社員になるのが簡単だったのは事実でも、正社員の座につくまでには、今では考えられないような言葉を投げかけられたこともありました。それこそ、不適切にもほどがある!です。
私は26歳のときに転職活動をしました。
ある企業の人事担当者から「26歳ですか~。それでは女子社員の中で最年長になってしまいます。そのお年で年下の社員から仕事を教わるのも嫌でしょう」と言われたのです。
「いいえ、全く気にしません」と答えたものの、結局不採用でした。1990年前後の頃、まだ私はハラスメントという言葉を知りませんでしたが、このようなことはあちこちであったと思います。今ならそんなことは思っても口にしないでしょう。
今がすごく良い時代とは思いませんが、昭和よりもマシになった点はあると思うのです。
昭和の頃からやっておけば…
昭和が良い時代だっと思うのは勝手ですが、昭和のつけが今回ってきていると思うことも多々あります。例えばハラスメントを受けたときの対応について。
今朝の新聞には「自分はハラスメントを受けてもうまくかわすことができたし、昭和の男性には潔さもあって自分が悪いと思えばすぐに謝罪をしてくれたから、今思い返してもそんなに悪い時代じゃなかった」という内容の投書も掲載されていました。
しかし、こうしてうまくかわしてしまったからこそ、ハラスメントで不愉快な思いをしている人の存在が広く知られなかったとは考えられないでしょうか。このときから不愉快なものは不愉快だと声を上げる存在があれば、今ハラスメントに苦しむ人はもっと少なくなっていたに違いありません。
まあ、この時代の人たちはいちいち声を上げていると、働き続けられなくなるという事情があったのだと思いますが…
私はハラスメント以外にも、昭和のうちから手をつけておいた方が良かったことがまだあるような気がしてならないのです。
昭和のつけを払うのは今だろう
昭和はすでに終わった時代です。それを今良かったとか悪かったとか言っても始まらないでしょう。もう、江戸とか明治とかと同じ並び、歴史の1ページでしかありません。
今はまだ昭和の記憶が残っている人が多いから、昭和に反応する人が多いのだと思いますが、それもいずれは減っていくはずです。そうして、本当に昭和は歴史の教科書に載っているだけの時代になるのだと思います。
そうなる前にまず、昭和でできたつけをキッチリ払うことが昭和の記憶を持つ者の務めです。あの頃が良かったとか言っている場合ではありません。