奨学金

生活

何度もこのブログに書いていますが、私が中学2年生のときに父が病気で働けなくなりました。そこで母は進学するためには日本育英会の奨学金を借りようと言い出したのです。大学に進学するならそれもわかりますが、母がこう言いだしたのは私が高校に進学する前でした。

奨学金なんて借りられるの?

私は公立の高校を受験する予定でしたが、不合格の可能性もあります。その頃の実家には私立の高校の学費は重い負担になることがわかりきっていましたから、先手を打っておこうと母は思ったのでしょう。

私は決して悪い成績ではありませんでしたが、良くもありませんでした(つまり普通)。それで奨学金など借りられるのか、と疑問でしたが、母は平均的な成績なら借りられるのだと言っていました。落ち着いて考えれば、返還義務がある奨学金なら、それほど条件が厳しくないのも当たり前です。

それに、借りられる金額が公立高校の場合、1カ月3000円ほどでした。今思うともっと気楽に申し込みをしても良かったと思いますが、当時の私は「日本育英会」という名前にすら、圧を感じ緊張していました。

高校の奨学金を借りる前には、それにふさわしい人物かどうかを確かめるために面接がありました。それも生徒だけではなく、その親も出席しなくてはなりません。私と母は近所の公立高校まで面接に出かけました。

面接は合同で行われました。多分私たちも含めて、5組くらいの親子がいたと思います。

奨学金を借りる人って…

面接ではどんな理由で奨学金を借りたいのかを聞かれたような気がします。自分がどんなことを言ったのかまったく覚えていませんが、音大志望の女の子が「これからお金がかかるので、高校の学費には奨学金が必要です」と言っていたのをよく覚えています。

その女の子はピアノの練習を毎日欠かさないとも言っていました。39度の熱があっても練習を休まず、ピアノに嘔吐してしまったという話を聞いて、ちょっと気味が悪いな、と感じました。他にもお茶の水女子大学に進学したいと語っていた女の子もいて、私はやはり場違いだったと感じざるを得ませんでした。

もしかしたら、彼女たちは返済義務のない給付型奨学金を希望していたのかもしれません。しかし良い意味でも悪い意味でも私は平凡で普通の人間なのだということがよくわかりました。

大学進学も奨学金のお世話に

結局私は公立の高校に合格。そこで授業料を免除してもらうことができました(これも家計の状況で判断されるため、成績は関係ありません)。

それでは奨学金はどうしたのかと言うと、母が3年分積み立てて、大学受験の足しにしてくれました。月に3000円ほどですが、3年分となると10万円ほどになります。ずいぶんと細かい話ですが、これはこれで助けになったと思います(もうほとんど記憶に残っていないので、まるで他人事です)。

私は大学進学の際は迷わず奨学金を申請。無利子の奨学金を借りることができました。大学の奨学金は32歳になるまで自分で返還しましたが、高校のときの分は、両方では大変だからと母が返してくれました。

結局は借金だった

現在、育英会(現在は日本学生支援機構)の奨学金は利子が付くものもあるそうです。それだけ返済の負担は増えてしまいます。私は利子がありませんでしたが、それでも卒業してすぐに払込票が郵送されて来たのを見たときには、これから長い間返済が続くんだな、と重く受け止めました(これはハッキリと記憶しています)。

22歳の私は32歳(多分…これもうろ覚えです)は遠い未来で、まるで支払いは永遠に続くように思われました。人生の始まりから、借金を抱えていることが奨学金の真実だと思い知りました。

このご時世、何でも利用できるものは利用して賢く生活する必要がありますが、結局奨学金は私にとっては借金でした。お金でも何でも借りるということは、その人の重荷になる可能性があります。ぜひ、借りる前には一度考えて欲しいです。

後悔はしていませんが

もちろん教員になって一定期間働けば、奨学金の返済が免除されることは知っていました。けれど私は教員になる気にはどうしてもなれませんでした。教員になってやっぱり適性がありませんでした、では私も不幸ですが、未来ある子どもたちも不幸にすると思いました。とても怖くて教職を取るきにもならなかったのです。

もう過ぎてしまったことなので、今更どうこう言うつもりはありません。後悔もしていませんが、奨学金のことは単なる思い出になってしまいました。面接で一緒になった人たちはみんなどうしているでしょうか。みんな孫がいてもおかしくない年齢になっているのです(同い年だから当たり前ですよね)。

当時の影響なのか、私は今でもローンだの分割払いだのはあまり好きではありません。

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