電話

固定電話 生活

朝から固定電話が鳴ったので、ちょっとビクビクしながら受話器を取りました。どうも固定電話が鳴ると、何かよくないことが起こったのではないかと考えてしまいます。

電話は夫の叔母からだった

電話は夫の叔母からでした。確か昭和15年生まれの叔母は、今年で79歳になるはずです。昔からの農作業で膝が悪くなり、今ではゆっくり歩くのがやっとです。数年前にはアルツハイマーの前段階だと診断されて、進行を遅らせる薬を服用しています。

自分にも息子が2人いるにもかかわらす、両親を早く亡くした夫のことを昔から気にかけてくれる人でした。その人が夫の仕事の心配をして、電話をかけて来たのです。私の夫はゴルフ場のコース課に所属しているため、テレワークにはなりようがありません。今回の非常事態宣言で、夫は仕事ができなくなるのではないか、とまで考えてくれたようです。

大変な状況でも他人を気遣える人

私から見ると叔母の方が大変なことをたくさん背負っているように見えます。病気への不安や自由にならない体を抱えている叔母のどこに人を気遣う余裕があるのかと思います。

少し前の私なら、その気遣いを素直に受け取れなかったかもしれません(結婚したときにすでに姑がいなかったので、叔母はその代わりのように私には思えました)。そんなことを心配しても仕方がないとか、私たちに干渉しているなどと思ったかもしれません。でも、今の私はそうではありません。

自分が大変な状況で、しかも世の中が新型コロナウイルスのせいで殺伐としているのに、甥っ子のこと(しかも立派な中年になっています)を心配して、電話をくれたことをうれしく思いました。短い電話でしたが(叔母は中高年女性には珍しく、いつも電話がとても短いです)、朝から元気になれました。

こんなときだから、心に染み込むことは?

人の気持ちを素直に受け取れて、朝からこんなによい気分になれるなら、今回の新型コロナウイルス騒動も私には悪いことばかりではありません。

大変な状況では人の真の姿が見えるようです。大変な状況の前では、普段身に着けているよろいや化けの皮が取れてしまうから、かもしれません。いろいろなものが取れることで、よい事も悪い事も心に染み込みやすくなるような気がします。

こんなときだから、自分の心にはどういうことが染み込むのか、よく観察しておくとよいですね。自分には本当に何が必要なのかがわかるかもしれません。仕事でも商品でも、本当に必要かそうでないかが、はっきりしようとしています。少し怖いような気がしますが、必要なものを大切に暮らしていくことを考えると、今がよい機会になりそうです。

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