私と同年代、またはそれよりも上の年代の人のブログを読んでいると、終の棲家について書いてあるのが目に留まります。それだけ私たちの年代には大切なことなのだと思います。
その中で有名なユウチューバーの女性が家の購入をキャンセルしたことを記事にしている方がいました。
戸建ては本当に怖い
彼女(ユウチューバーの方です)はシングルマザーで、息子さんと住む家を購入しようとしましたが、息子さんはいずれ巣立っていきます。そのときに、一人で戸建てに住むのは怖いと感じたというのです。
一人で広い戸建てに住むのは寂しいと思いますが、それだけではないでしょう。私は彼女が戸建てに住むのを怖いと思うのがよく理解できます。
私が現在住んでいるのは、夫の実家の敷地内に建っている築27年の戸建てですが、引っ越し当初はいつもビクビクしていました。私は実家は団地、一人暮らしもワンルームマンションでしたから、戸建てに住むのは本当に久しぶりでした(子ども時代の数年間は平屋建ての小さな家に住んでいました)。
私が引っ越してきた当時は、夫の実家のある土地は、まだ昔ながらの農村の雰囲気が色濃く残っていました。訪ねてくる人は玄関のチャイムなど鳴らさずに、いきなりリビングのガラス戸を開けて入ってくることもありました。
戸建ての1階には誰でも入ってこられるのだ、そう気がついた私は怖くてたまらなくなってしまったのです。近所の人たちには悪気がないことはわかっていました。でも、よく知りもしない人がいきなり入ってくることの恐怖はなかなかなくならなりませんでした。
怖いのを我慢しているうちにもっと気になるように…
そのうちに、1階にいると2階で物音がしたような気がするようになりました。2階にいると逆に1階の物音が気になるのです。鍵をかければ良いではないかと思われるかもしれませんが、敷地内に夫の祖母が同居しており、私が鍵をかけるのを嫌がったため(何で閉まってるの~、と騒がれたのです)に、それもできませんでした。
今なら、自分の思い通りにしますが、当時の私は夫の親族に悪く思われるのが嫌で、鍵などかけなくてもなんでもないのだとおおらかな嫁のフリをしていたのです。
それに戸建ては団地に比べると、他の家の騒音は気にならないのに、家の中で原因不明の音がすることが多いように感じます。これも戸建てが怖いと思う原因かもしれません。この家で育った2人の娘たちもしょっちゅう家の中で変な音がすると言っているので、私だけが感じているわけではないと思います。
家族がいるときは「何の音だろうね」で済ませられることでも、年をとった自分が1人でいるときには、気になってたまらなくなるのではないでしょうか。
防犯面も不安
また、これは近所の人ですが、夏に暑くても窓を開けて眠れないそうです。その人の家は平屋建てで自分たちが眠る部屋のすぐ前を道路が通っています。誰かが歩いて来るのがわかるだけで、おちおち寝ていられないと言っていました。
地面から離れていない安心感は、同時に誰でも自分の家に入ってこられる不安感になるようです。その近所の人は夫婦で住んでおり、同じ敷地内には息子一家も住んでいます。それでも不安になるのですから、1人暮らしならどれほどの不安を我慢しなければならないのか、想像もできません。
どこに住んでも最後は自分が頼りだけど
まあ、地面から離れていれば安心かと言うとそうではありません。私の実家は5階建ての団地でしたが、最上階に変質者が侵入したことがありました。雨樋を上ってベランダに侵入、鍵のかかっていなかった窓から室内に入ったそうです。
どんなところに住んでいても油断してはいけませんが、ある程度の年齢になって1人で戸建てに引っ越すのは(何十年も住んでいれば別でしょうが)キツイだろうな~、と思ってしまうのです。
ユウチューバーの女性が自分にピッタリの住まいを見つけられることを願っています。集合住宅だっていろいろあるのは、もう十分にわかっていますけどね…