心配だった長女の高校生活

長女

自分から美術科のある高校に進学したいと言い、長女はそれを実行しました。自分の意思をはっきりと持っているし、私は高校生活については何の心配もしていませんでしたが、実は高校生になってからの長女の生活は大変なものだったのです。

勉強以外のことが心配だった

長女にとって、絵を描くこと以外の勉強はあまり関心がなかったので、入学直後は大変だったようです。これは私も承知していたのでいくら成績が悪くても驚きはしませんでしたが、何というか長女の生活全般にほころびができている感じがしました。

歩いていて停車している自動車にぶつかる(これはミラーが曲がったと相手から修理代を請求されました)、眠気が我慢できずにスーパーのトイレの個室で眠りこける(帰ってこないな~、とは思っていました)、もちろん休日は1日中起きられない、など長女は私が高校生の頃には考えられないような生活をしていたのです。

長女は特にハードな部活動やバイトをしていたわけではありませんでした。美術科という特殊な科だったために、部活動はなし、バイトも禁止されていました。ただ、長女は幼いころから、規則正しい生活サイクルにしようとあれこれ親がすることは一切効果がありませんでした。

何かが異常なの?

決まった時間に起こして、決まった時間に寝かせるというようなことが、長女にはどうしてもできなかったのです。だから高校生になって1日中寝ているのが気になったときに、無理に起こしても効果がありませんでした。起こしても目を離すと眠っている、の繰り返しでした。

これはコントロールできるものではないと感じましたが、医者に行くとしても一体何科に行けば良いのか、私には見当も付きませんでした。

ただ、学校のある日はきちんと起きて支度をしているし、課題もこなしていたので、そのうち落ち着くかもしれないと、私はあまり深刻には考えていませんでした(と言うか、考えることを避けていたのかもしれません)。

交通事故にまで!

高校2年のときにはついに自転車で交差点を渡ろうとしているときに、左折車両に巻き込まれるという事故にあってしまいました。

その交差点はもともと朝は通勤のための車がスピードを出していることが多く、横断する人と車の接触事故が後を絶たなかったのですが、普段の長女を見ていると私はどうしても車だけが悪いのだと思えなかったのです。

この事故を境に、長女は少し注意深くなったようです。さすがに自分でも大けがをしてはかなわないと思うようになったのかもしれません。そして自分でも注意深く生活するためにいろいろと工夫をするようになったのです(それはいずれまた記事にしようと思っています)。

最近の長女は

その後、長女は時折襲ってくる不眠に悩み、心療内科を受診しました。その医院には睡眠外来もあったからです。そしてアスペルガー症候群だろうと言われました。アスペルガー症候群の特性を調べると、それまでの長女の生活のほころびというのが、かなり説明できたのです。

夫は何にでも病名(別にアスペルガー症候群は病気ではないと思いますが…)を付けて、そのせいにするのは感心しないと言っていますが、私は長女の特性が解明できて、すっきりした気持ちです。長女はまあ、そんなところだろうと自分で思っていたようです。

私はどこでも眠りこけたり、車にぶつかったりしている長女を見ていると、そのうち駅のホームから転落するのではないかと心配でした。それが落ち着いてきたことで(長女自身の工夫と投薬のおかげだと思います)、私の心配もかなり少なくなりました。

アスペルガー症候群と診断されたことで、長女は自分の特性を理解して、生活する上での不都合と向かい合えるようになりました。私もいくらきちんとしなさいと親が働きかけても、何も解決しないことがあるのだと学びました。

親のしつけが悪いんだなどと考えなくても済むようになりました。もちろん、長女のことも責めなくても良いわけですから、診断されて、親子ともに良かったです。

よろしければ、また読んで下さい。

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