夫の弟は自動車の運転が趣味のようでした。便利な都心で一人暮らしをしていたので、本当は高い駐車場代を払ってまで自家用車を持つ必要はなかったのですが、彼は車にこだわり続けました（結局医師に運転を止められたこともあって、現在の車は手放す決心をしたようです）。
車に助けられた生活だった
反対に郊外にある我が家では、車を完全に手放すのは難しそうです。スーパーが歩いてすぐのところにあるわけではないので、まとめ買いをしたときなどは大量の荷物を運ぶのに、車があると本当に重宝します。
娘たちが幼いころ、夫の祖母が健在のころは我が家の車で通院もしていました。幼い子どもやお年寄りを具合が悪いときに無理に歩かせずに済んだので、これもとてもありがたかったです。母が入院した時も、車があるから毎日付き添いに通えたのだと思っています。
今回夫の弟が入院することになって、転院、退院をするときにも我が家の車で送迎することができたので、弟にも無理をさせずに済んだと思います。
どうしても必要だとは思えなかったけど
私は実家にいたころはバスと電車で事足りていたので、それほど自動車免許の必要性を感じていませんでした（実家の母は私が免許を取ることに猛反対していました。母は家で揚げ物をすることも火事になると困るからやめろと言うような人でした）。
漠然と運転できたら良いな～、と考えていたくらいですが、夫の実家（駅までのバスは1日2本・歩くと1時間くらいかかります。つまり不便極まりない場所です）の敷地内に家を建てることになり、免許を持っていた方が良いのではないかと夫から提案されたのです。
軽い気持ちで、それならと教習所に通い出しましたが、予想以上に私が免許を取るのは難しく、かなり時間も予算もオーバーしてしまいました（仮免許を取るまでに半年近くかかってしまいました）。まだ長女が1歳になる前だったので、思うように教習所に通えないというのもネックになったと思います。
結局最後の2週間ほどは夫が仕事を休んでくれたため（職場に1人、免許は絶対持っていた方が良いから、と夫を後押ししてくれる人がいたそうです）、集中して通うことができ、何とか仮免許を取得。その後は免許を取るまであっという間のことでした。
必要になったときに、取るのでは間に合わないことも
免許はいつ必要になるかわかりません。必要かそうでないかわからないことのために、多額の費用をかけるのは、もったいないと感じる人もいるかもしれません。しかし、必要になる人も必ずいるわけです。そして、必要になったからといって、来週免許が取れるかと言うとそうではないのです。
私自身の人生を振り返ってみると、免許を持っていなかったら、生活にかなり余裕がなくなっていたように思います。時間や人手のやりくりをどうやってつけたのか、と考えるだけでも私にとって免許は必要なものだったことがわかります。
現在28歳になった長女は、今のところはペーパードライバーですが、これから先も、車の運転をしなくて済む保証はどこにもありません。私がそのうち、長女の運転で通院するかもしれません。だから、私は長女に免許を取らせたことを後悔はしていません。
幸いにも（？）運転をしないで済むなら、そのときは身分証明書として大切にすれば良いと思っています。随分と高価な身分証明書ですが、顔写真付きなので、大抵の場合はそれ1つで事足ります。
免許証は身分証明書としては最高
住んでいる地域によって違うのかもしれませんが、私たち家族が住んでいる埼玉県南部では、保険証はそれだけでは身分証明書としては使えません。私たちが住んでいる地域の保険証は顔写真がついていませんから、戸籍謄本などを添付しないと身分証明書として通用しません。
私は専業主婦のため、夫の頼みで金融機関で現金をおろしたり、払込をしたりすることがありますが、通帳の名義は夫の名前なので、身分証明書の提示をするように求められることが度々あります。そのときも免許証なら言うことなしのようです。
ちなみに私たち家族は海外旅行の経験がないので、パスポートを持っていません。だから免許証が一番の身分証明書です。
おせっかいにも一理あり
車の運転には向き不向きがあるし、事故を起こしたら自分1人の問題では済みません。維持や管理にもお金がかかります。しかし、車がないと生活が成り立たない人がいるのも事実でしょう。よくおせっかいなおじさんやおばさんが若者に対して、「今のうちに免許を取っておいた方が良いよ」などと言うのには、実は一理あると私は思うのです。
運転の技術だけでなく、交通法規を覚えるのも、若ければ若いほど容易です。私は免許を取ったのが30歳のときでしたが、そのときですらこんなに自分が物覚えが悪くなっているとは、と愕然とした記憶があります。
男性も女性も、20代後半からは人生のイベントが目白押しになる人が多いでしょう。就職、結婚、出産など、それが過ぎれば子育て、親の介護など免許を取ろうという心と経済の余裕がなくなってしまうかもしれません。だからその前に免許を取っておくというのは、そんなに理不尽なことではないと私は思います。
一時は環境への負荷を考えて、車離れが起きていましたが、コロナ禍で再び自家用車が必要だと考え直す人も増えています。車について考える良い機会が訪れていると思います。
私は、運転は面倒なので嫌いです。何でもかんでも面倒なので、雨の日なんか車庫に行くのが面倒で、出かけられなかったりしています。あまり偉そうなことは言えませんが、それでも車があって良かった、免許を持っていて本当に良かったと思っています。
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