昔、あくまでも私の中だけの話ですが、正月は正月三ヶ日だけで終わっていました。三ヶ日だけでも、ずいぶん正月は長く感じられ、早く普通の生活に戻りたいと思っていたものです。
正月は好きではなかった
私が子どもだった1970年代、三ヶ日はどんな店も休みでした。正月は友だちと遊んではいけないと親から言われていたし、せっかくもらったお年玉を使いにも行けないしで、正月とは退屈で長い時間でしかなかったのです。
年末の買い出しやらおせちの準備やらが忙しいため、大人になってからの正月はやっとほっとできる時間になっていますが、それでなくても私は普段から料理をするのが好きではありません。
行事食であればなおさら嫌です。
だから、今も正月が好きかと言われると、そうでもありません。ただ、どうせおせちやお雑煮を作るのならと、かつては知らんぷりをしていた正月の関連行事にも手をつけるようになりました。
昔は無視していた七草や鏡開き
正月の関連行事とはそう、七草とか鏡開きです。どうせ、子どもは野草の入ったおかゆなどに興味はないだろうし、鏡開きのころにはお餅にも飽きているだろうと、理由をつけてこれらの行事は無視していたのです。
子どもと言っていますが、我が家の娘たちはすでにアラサーです。今年は7日に七草粥を作ったところ、それはしみじみと美味しそうに味わっていました(夫も)。昨日の11日にはぜんざいを作って、鏡開きをしましたが、これも大変喜んでくれました。
子どもたちが大人になり、味覚の幅が広がったのでしょうが、今年も無事にお正月を迎えられたことが嬉しいという気持ちが育ったのかもしれないな、と思っています。
私としてはおせち料理よりも七草粥やぜんざいの方が準備が簡単なので、こちらの行事に重きを置くのも悪くないなと思いますが、我が家は娘たちも夫もおせち料理が大好きです。当分はおせち料理も作らざるを得ないようです。
これからも我が家なりのお正月を
ちなみに偉そうに「七草粥」と言っていますが、実際には大根の葉とかぶの葉、正月の残りの三つ葉が入っているだけです。できたお粥を見ても、草が何種類入っているかなどわかりようがないので、それで十分です。
新たにパック詰めをした七草を買うよりも、冷蔵庫の中で瀕死の状態になっている大根やカブの葉を使う方が、家計にも環境にも優しく、良い年のスタートが切れる気がします。
それから鏡餅は包丁で切ると縁起が悪いそうです。しかし、我が家の鏡餅は真空パックになったごく小さいものです。
それを金槌で叩いても、ちょうどよく割れる気がしないので、しっかりと包丁でスライスしています。結局、お正月の過ごし方などは、その家に合ったものなら良いのでしょう。我が家は我が家なりのお正月を、これからも追求していきたいと思います。