今朝新聞に、進学には男女差があるという内容の記事が掲載されていました。紙面では20代の女性が弟と進学面で差をつけられ、今でも納得できていない、受験をやり直したいという心情をあかしていました。
未だに進学は男子優先?
20代の女性は大学進学に際して自宅から通えるところでなくてはならない、浪人をしてはならないなどと条件をつけられました。そのため、本当に通いたい大学には進学できなかったとのことです。女性の弟にはその条件は一切なく、なぜ自分だけが?と疑問を感じたのでしょう。
女性が第一志望の大学に通いたいから浪人をさせて欲しいと両親に懇願したとき、母親は「若いときの時間をこれ以上ムダにするのは良くない。そんなに一生懸命に勉強しなくても、誰かが養ってくれるから大丈夫」と言ったそうです。
現在20代の女性を娘に持つ母親は、私よりも一回りも年下かもしれませんが、娘にそんなことが言えるのはすごいと思います。もしかすると母親自身、自らの夫に養われてそれが幸せな人生だったと感じているのかもしれません。
結婚すれば大丈夫ではないかも…
実際に女性が結婚しても、一生養ってもらえるかどうかはわかりません。たとえ結婚相手に養う意志があったとしても、勤め先が倒産するかもしれないし、自分が怪我や病気で働けなくなるかもしれません。
実際に私の父は勤め先の倒産を数回経験し、その後は過労から脳出血の発作で倒れ、妻(私の母)に養われる結果となったのです。
母は私に何度も「手に職をつけろ、そのためには勉強しろ」と言っていましたが、母の言う資格に私の興味はまったく動かず今に至っています。そして、今老後の経済に不安を抱く毎日を送っています。
ですから、自分が行きたい大学があると主張する娘の言い分を潰してしまうのがとてももったいないと思うのです。まあ、一人暮らしをさせるのが大変な経済的負担になるのはわかりますが、弟にはその援助をして女性にはしないというのは、いかがなものでしょうか。
男子にとっても差別的?
ただ、弟には弟なりの不満があるかもしれません。自宅から遠い大学に進学したとしても、それは長男だから受けられる恩恵だったのだとわかる日も来るのではないでしょうか。女性にそのような対応をするご両親はいつか弟には、「長男だから親の面倒をみるべき」などと言うような気がします。
私の母も何かと私の弟を優遇していました。実際に高校受験のときは私だけ志望校を変えさせられましたから、受験でうるさく言われたのは私だけだと思っていたのです。しかし弟も高校卒業を控えた頃に、母からうるさく言われていたようです。
「あんたは男だし、専門学校はお金がかかるから、国公立大学を受験しなさい」などとしつこく言われ(弟にそれは無理難題でした)、甚だ閉口したとは、母の死後初めて聞いた話でした。
自分の子どもの進学について男だから、女だからと言った差をつけてしまうと、結局は女の子だけではなく、男の子にも差別になってしまうような気がします。
私は弟だけを優遇する母に嫌気が差して、大学を卒業して数年で家を出ましたが、今は弟に少し申し訳ないような気がしています(弟は私が家を出た詳しい理由は知らないでしょうが…)。
個人にあった道を探すのは難しいから
私は今年60歳になります。私の年代ならわかりますが、現在20代の女性まで女性だからという理由で進学に壁があるのには驚きました。人はそうそう簡単に変われないようです。
ですが、ご両親には自分の子どもを差別したとか、区別したとかの自覚はないのかもしれません。自分の娘が今でも割り切れない思いをしていると知ったら、(そんな事実があって、今までそれを知らなかったことが)きっとショックだと思います。
ぜひ、女性には過去にけりをつけるという意味でも、ご両親と話し合いをして欲しいです。
世の中の子どもを持つ人たちが、すべて男とか女とか関係なくその子にあった道に進むために手助けできると良いのですが…なかなか難しいですよね~。だからつい、男だ女だというところに逃げてしまうんですかね。
それに金銭面で難しい場合、親は子どもに素直にそれを言えないかもしれませんし…う~ん、どうしたものか。