我が家の夫は地域の囃子連に参加していますが、昨日は急遽役員会が開かれるとかで、仕事が終わって帰宅したと思ったらすぐに出かけて行きました。
現在囃子連の会長をしているのは夫の又従兄弟で同い年の男性です。彼の父親もお囃子をやっており、彼は幼い頃から興味を持って取り組んでいたようです。結果、現在は人に教えるほどの腕前となり、まつりのシーズンには、地元のメディアにも登場するようになっています。
熱血指導は実を結ばない
夫が参加している囃子連でも会長である又従兄弟が指導をしていますが、新しい参加者はみな夫のように中高年になって興味本位でお囃子をやろうと思った人ばかりです。会長が熱意を持って指導すればするほど、参加者は及び腰になってしまいます。
また、会長の熱意はパワハラやセクハラに誤解されることがありました。最初のうちは楽しく参加していても、いずれ女性は来なくなってしまいます。会長は大声で怒鳴るだけでなく、座って笛を吹いていた女性のお尻を蹴ったことがあるとのこと。
会長いわく、楽譜のないお囃子で演奏に入るタイミングを知らせるために蹴ったそうですが、見ていた夫は驚いたの一言では表せない思いをしたそうです。
そんなこんなで、会長についていく人はいなくなり、集まりにも何かと理由をつけて欠席する人がふえてしまっていました。会長が最も恐れているのが、このまま地域のお囃子が絶えてしまうことです。それをなんとかしたい、どうすれば良いのかを話し合うために昨日の役員会は招集されたのです。
このままではお囃子が絶えてしまう?
お囃子を絶やすまいと思っているなら、なぜ会長は今まで後進の育成をしてこなかったのでしょうか。自分が60歳を過ぎてから急にお囃子を担ってくれる人を探すのでは、あまりに遅いです。
後を託せる人は急には見つからないでしょう。しかも、今お囃子に参加しているのは大抵が60歳前後。会長とほとんど年は変わりません。
まあ、後を託せる人が見つけられないのは、会長のせいだけではありません。今までお囃子にはたくさんの参加者がいました。彼らはみな後進の育成を考えることなく、年を取って外出が困難になるか、亡くなってしまいました。
夫はこんなことを言っています。
自分たちだけが楽しんで、誰も後のことを考えなかったんだから、お囃子が絶えてしまっても、これは仕方のないことだよ。こういうことを自業自得って言うんだな。
じゃあ、どうすれば良いのか?
多分、お囃子をやっていたお年寄りのみなさんは、こういう社会になることを予想もしていなかったでしょう。自分たちがお囃子をやりたいと思ったように、いつかは誰かがお囃子を引き継いでくれると思っていたのではないでしょうか。
あれ、おかしいぞと思ったときにはすでに遅かったのかもしれませんね。また、意外と人は自分が年を取ったことを自覚できません。自分が誰かにお囃子を引き継がなくては…などとはなかなか考えられなかったのかもしれないです。
そう考えると、私は夫のように自業自得とは思えないのです。私は今お囃子に参加している人たちが、楽しく活動するのが一番良いと思います。楽しく活動しているのを見ると、参加したいと思う人が増えるはずです。
参加する人が増えれば、中に若い人や才能がある人がいる確率も高くなるでしょう。結果、お囃子が存続する確率も高くなると思います。
ほんと、楽しく活動してくれるのが一番です。お囃子関連の外出の後は、夫の機嫌が悪くて(機嫌が悪いと文句が多くなってうるさい…)困りますから。
私はそれほどお囃子に思い入れはないので、ふぅ~ん、という感じで静観していますが、お囃子の人たちを見ていると、後の始末は早めにしないといけないことだけはよくわかりました。せいぜい気をつけようと思います。
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