俳優・火野正平さん「75歳で死んじゃうのかよ…」夫の悲痛なつぶやきに思う

自転車 テレビ

火野正平さんが75歳で亡くなりました。テレビの中の人、それも女性にモテモテの俳優さんと言うことで、私は彼のことをそんなに興味を持って見ていたわけではありませんでした。

昔より今の方が好ましい

それよりも近年、自転車で日本各地を旅する番組に出ている、どこかおちゃめなおじさんになった火野さんの方がずっと親しみが持てて好ましいと思っていました。一度良いなと思うと、たまに見る彼の演技まで好ましく思えてきたので、人間とは(私だけか?)ずいぶんとげんきんなものです。

実際に年齢とともに火野さんの演技は、良い味わいとなっていたのだと思います。ドラマ「相棒」での刑務所内で病を得た囚人役などは、随分と後になるまで心に残りました。

夫が楽しみに見ていた自転車での旅番組は、今年も新たなシーズンがスタートしたにもかかわらず、画面に現れたのは代役の俳優さんたち。火野さんは持病の腰痛を治療中とのことで、大丈夫かなと夫と心配していました。

訃報を聞いて夫が

新たなシーズンとなる前から、番組は再放送のことも多く、どうしても火野さんの体調のことを考えざるを得ませんでしたが、まさかここで訃報を聞くとは思いませんでした。夫はとてもがっかりしたようで、こんなことを言っていました。

俺たちが子どもの頃から活躍していた人がみんな死んじゃうよ。腰痛だけで人が死ぬはずない!まだ75歳だったんだ。どうして火野正平は死んじゃったんだよ。

それを聞いていた次女は、いろいろとネット記事などを読んだのでしょう。「骨折などで寝たきりの状態になると、免疫力が落ちてちょっとしたことが命取りになるそうだよ。例えばカゼをひいただけとか…」などと言っていましたが、夫は「そんなはずはない」と繰り返すばかりでした。

次は自分の番だと思う

火野さんと私たち夫婦は15歳ほど年が離れています。火野さんが親くらいの年齢なら、これほど夫も動揺しなかったのではないでしょうか。夫は火野正平という俳優の死を悼むとともに、次は自分が死ぬ番だと思って動揺したのだと思います。

私は自分の母が死んだとき、次は自分の番なのだと実感。薄ら寒いような気持ちになりました。夫の場合はかなり若い頃に親を亡くしていますから、そんな気持ちは味わうことはなかったと思います。

その分を今、感じているのでしょう。昔から活躍していた芸能人が亡くなったときの夫の反応はかなり大きいのです。

長生きするってこういうこと

元気で長生きするって、次は自分の番だと何度も思うことなのかもしれません。考えてみれば、夫の祖母も常に「知り合いはみんな死んじゃった。次はばあちゃん(自分のこと)が死ぬ番だ…」と言っていました。

祖母は自分がいずれ死ぬ不安と、それを誰にもわかってもらえない寂しさをきっと強く感じていたに違いありません。祖母が不安を訴えると、正直面倒だと思っていましたが、今ならもう少しなるほどな~と、寄り添えるのかもしれませんね。

昨日もテレビでは再放送の番組の中で、元気な火野正平さんの姿を見ることができました。今年の4月にはこんなに元気だったんだな…と思うと、人間の儚さを見せつけられたように感じました。

しかし、どんな人も必ずこの世からいなくなります。その点だけはみんな平等です。私は儚さを感じても落ち込まずに、死ぬまで一生懸命に生きるぞ!火野さんみたいに、自転車に乗って旅する体力はないけどね。

最後になりましたが、火野正平さんのご冥福を心よりお祈りしております。

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