昨夜、我が家では1日早くチキンとケーキをいただきました。24日に買い物するよりは23日の方が、落ち着いて品物を選べるのではないかと思ったのです。
私は料理で年末年始が憂うつになるくらいの人間ですから、もちろんチキンもケーキも買ってきたものです(かつてはチーズケーキを作ったこともありましたが、もう無理はしたくない)。
夫のこだわりが忌々しい
今年はいつも買い物に行くスーパーのチキンを初めて食べました。実は夫にはチキンに対するこだわりがあって、毎年困っているのです。
夫はずいぶん幼い頃から、クリスマスには近所の肉屋さんで揚げた鶏のもも肉を食べていたのです。もう、毎年のことでたまには違うところの鶏を…と思っても、受け付けません。数回は都合で肉屋さんの鶏もも肉が買えなかった年がありましたが、そんなときは大変でした。
夫は他の店の鶏だと食べないわけではありません。キレイにペロリと食べた上で文句を言います。
何か違うんだよな~。やっぱり肉屋の鶏が一番いいんだよ。他のところの鶏は、変に甘い味がついていたりして、酒に合わないんだ。
せっかく買ってきて出したものに文句を言われるのも不愉快なので、私はなるべく肉屋さんで鶏肉を買えるように注意をしていました。しかし、数年前に肉屋さんの鶏もも肉は永遠に味わえなくなってしまったのです。
思い出のチキンはもう食べられない
肉屋さんは閉店してしまいました。夫婦2人で切り盛りしていた店でしたが、ともに80代半ばを越えて、もう商売を続けられないと判断したそうです。店の冷蔵庫が壊れたのをきっかけに閉店しようということになったのです。
私や夫の親世代の方が、頑張って店を続けてくれていたわけですから、文句のつけようもなく、ただ今までお世話になったことを感謝するだけでしたが、夫はそんなに簡単に諦めきれなかったようです。
今年もスーパーで買ってきたフライドチキンを食べながら、文句を言っていました。
スーパーのチキンは安くていいけど、まあそれなりだよな。身はたたいて延ばしてあるし、衣は厚いし…あ~あ、肉屋がやっててくれたらな。俺は肉屋チキンが一番好きだな。
肉をたたいてあるから、柔らかく仕上がっているし、衣が厚めだからサクサクして美味しいのだと私は思うのですが…それに比較して文句をつけながら食べるのでは、どんなものも美味しく感じられないのではないでしょうか。
大体、そのチキンを美味しいね、と言いながら食べている家族に対しても失礼です。もう肉屋さんが閉店してから4~5年は経っていると思うのですが、夫の文句は一向に止みません。
決してこの先食べられないであろうチキンにこれほどこだわるとは…毎年、夫の文句を聞いていると、年末年始が憂うつになってくるのです。
いい加減にして欲しい
多分、夫は家族との縁が薄く、子ども時代にあまり良い思い出がなかったのでしょう。
肉屋さんのチキンが、数少ない子ども時代の幸せな記憶になっているのだと思います。思い出の中で美化された味には、何を持ってきてもかなわない。これはいろいろな人が感じているはずです。
夫も可哀想な人なのだと思うと、何とも言えない気持ちになりますが、まあ、もういい加減にしろって感じですかね。あんた、いくつになったのよ、と私は夫に言いたいです。
現在肉屋さんの店主夫婦は、90歳くらいの年齢ですがお元気そうです。ですが、もうチキンを揚げてくれることはないでしょう。思い出は胸の中に取っておいて、他のチキンを味わうことはできないのでしょうか?
まあ、私はずいぶん前からチキンを食べると胸焼けがするので、別になければないでもいいんですけどね。肉屋さんの鶏もも肉はもも1本分でした。豪快で量が多い。とても美味しかったとは思うけど、私や娘たちには多すぎました。
こだわって熱くなっていたのは夫1人だけだったのです。
にほんブログ村にほんブログ村
にほんブログ村
コメント