先日、ご近所に住む女性が亡くなりました。
葬儀は近親者のみで行うとのことでしたが、この地域にはそういうときに便利(?)な習わしがあります。それが「門送り」。出棺の時間に合わせ、亡くなった方の家の門の前で手を合わせて最後の見送りをすることを言います。
良い習わしと思っていたが
門送りは喪服を着なくても、黒っぽいものなら普段の服装で参加できるので、葬儀に関する儀式の中ではすごくハードルが低いと思います。
香典を携えて線香をあげるのでは、結局遺族にお返しの心配をさせることになりますが、門送りならそんな気を遣わせず、亡くなった方への気持ちを表すことができるので、なかなか良い方法だと思っていました。今までは…
実は昨日、その門送りがあり、私も行って来ました。出棺は12時半ごろ。暑い時間で、ちょっと出かけるのに躊躇しましたが、これで最後になるのだから…と何とか出かけたわけです。
12時半ごろ、と聞いていたので、早めに出棺してしまっては大変だと思い、少々早めに家を出ましたが、私が到着したころ(ご近所なので徒歩5分もかからず、そのときは12時20分ごろだったと思う)には、もう大勢の人が炎天下の中、立っていました。
暑くて大変と思っていたら…
本当に到着してすぐに、もう汗が滝のように流れ、早く自宅に戻りたいと思っていましたが、そのまま待ち続けているうちに葬儀場の社員と思しき若い男性がこう言ったのです。
「実はご参列の方が倒れてしまいまして、今救急車が参ります。救急車が出発してからのご出棺となりますので、今しばらくお待ちください」
その後社員の言葉通りに救急車が到着。70歳台に思われる女性が1人運び込まれましたが、なかなか出発しません。これでは出棺がいつになるのか…と暗い気持ちでいたのですが、なんとしばらくすると女性が救急車から降りてきたのです。
回復したのかと思いましたが、どうやら女性が見送りを済ませてから搬送してほしいと要求したようです。その証拠に救急車はしばらく待機しますと言って、路肩に駐車。一緒に出棺を待つこととなりました。
炎天下の門送りは危険!
暑い中、せっかく出かけてきて今まで待っていたのです。見送りを済ませたい、という女性の気持ちはわかります。
お互いに生きていれば、またこの次、と言うこともできますが、片方がもう亡くなってしまっているのですから、そのときを逃してしまえば、次の機会はないからです。
ただ、倒れた女性に何かあったら、一番に困るのは亡くなった女性の遺族でしょう。亡くなった女性は80歳台でしたから、門送りに集まったのもほとんどが高齢の女性だったのです。熱中症に倒れたとしても、若い人に比べて命の危険があるはずです。
そんなことになったら、責任は取り切れないと思います。きっと遺族も驚いたのでしょう。救急車が到着した後、急いで参列者に飲み物が配られました。
葬儀には何かと気を遣うことが多いですが、とうとう熱中症の心配まで加わったのかと思うと、これからは門送りも考えなくてはいけないな…と思わざるを得ませんでした。
出棺の時間を考慮する、とかすれば良いのかもしれませんが、それでもこの季節、何時であっても、外に長い時間立っているのは危険かもしれませんね。自分で日陰に避難するなど、対策が取れるならまだしも、他人の家の門の前ではそれもなかなかできません。
そのうち、門送り自体が廃れていくのかもしれませんね。まあ、仕方がありません。私も何回も門送りに参列したことがありますが、誰かが倒れたのはこれが初めてです。びっくりした~。


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