先日、ご近所さんが亡くなり、香典袋を用意することになりました。
葬式のときは必ず「御霊前」?
私が用意した香典袋には、あらかじめ「御霊前」、「御香典」、「御香料」などと印刷された短冊状の紙が入っています。短冊の上部に「御霊前」と印刷されているので、下部に自分の名前を書くわけです。
夫がそれを見ながら「なんで御霊前以外のものが入っているんだろう?間違って別のを入れたら困るよね。紛らわしいよ」と言います。夫はいつも香典袋に名前を書くとき、強迫観念にかられたように何度も「御霊前」を確認しています。
仏教で葬式をするなら、全員「御霊前」でいいだろうと言うのです。確か御霊前を使わない宗派があったはず、と思い夫に伝えましたが、夫は例のごとく「そんなことはあるわけない」と言い張ります。
念のため確認しましたが、浄土真宗では、人は亡くなってすぐに成仏して仏になるため、御霊前は使わないそうです。霊になることはないから、御霊前はおかしいわけですね。実は私の実家は浄土真宗。
母の葬式のときに僧侶が「お母様は阿弥陀如来のお力により、すでに成仏されています」と何度も言っていたっけ…成仏して極楽に行ってしまうから、草葉の陰から何かすることもないそうです。
亡くなったら即成仏って、この世に未練を残さない感じでいいですね。個人的な感想ですが、私の父の人柄には、浄土真宗があっていると思います。
ゆるい宗派がありがたい
ところで、父の時も母の時も、私は御霊前と書かれた香典袋を使っていましたが、特に誰からも何も言われませんでした。普段実家は浄土真宗を意識して生活していなかったようだし、まあ、気が付かなかったわけでしょう。
しかし、「御霊前」は絶対ではないということと、亡くなったら即成仏だから、四十九日になるまでの間(7日毎に法要するのは大変だし、まだ成仏していないんだな…と気になってしまう)、気にする必要もないということは素晴らしいことです。
だから我が家は曹洞宗の寺の檀家ですが、私は浄土真宗を好きでいようと思います。まあ、ここら辺には浄土真宗の寺はめったになく、ご近所はみな曹洞宗の寺の檀家ばかりですが…心の中だけですが、浄土真宗を支持しよう。
こうでなくては絶対にダメ、ということが多いと、疲れちゃいますよね。曹洞宗ではダメでも、浄土真宗なら大丈夫、と思えると何だか救いになるような気がします。何より塔婆がないのが良いと思います(片付け大変…)。
ちなみに「御香典」や「御香料」は仏教の宗派を問わずに使える便利な表書きだそうです。


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