私が読んでいるブログでも話題になっていた旦那デスノート。夫のことを死んでしまえばいいと思うほど嫌いな人が、人には言えない自分の思いを書き込めるサイトです。
離婚した方が良いのはわかるけど
私も実際に覗いてみましたが、夫が嫌いと言っても、単に性格の不一致なのではなく、何らかの被害(DVやモラハラなど)を受けている人がたくさん書き込みをしていました。夫に死んで欲しいと願うくらいですから、もう先行きは離婚しかないだろう、とにかく離れるのが一番良い方法だと思う人も多いでしょう。
少しサイトに掲載されている文章を読んだだけですが、私はそう簡単には行かないだろうという印象を受けました。サイトに文章を書き込んでいるのは、まだ若い人で、30代から40代くらいのようです。きっとまだ子どもも小さいのでしょう。
シングルマザーとして子どもを育てる決断が、なかなかできないのかもしれません。また、周りの人に相談したときに、「もう少しがんばってみたら」とか「そんな男性には見えないけど…」などと言われ、自分の方が気にしすぎているのか、などと思ってしまったのかもしれません。
人間は、何かトラブルがあると、自分にも悪いところがあるのでは、と考えてしまいます。それは素晴らしいことですが、ともすれば毅然とした態度を取れない原因になります。
せっかく勇気を奮って相談しても、自分の気持ちを汲んでもらえないと、八方塞がりという気持ちにもなるでしょう。しかし、嫌なものは嫌ですから不満は溜まっていきます。それで旦那デスノートのようなサイトが唯一の心の拠り所になるのではないかと感じました。
思うだけなら実害はない
本当に離婚する踏ん切りがついたときには、もう旦那デスノートの出番はなくなるのだと思います。旦那デスノートは、結婚生活が結末(それは必ずしも離婚ではないと思います)を迎えるまでの女性をサポート役しているに過ぎないのです。
サイトを見ていると死んで欲しいという言葉に溢れていますから、最初はちょっと戸惑いますし、それが嫌だと思う人もいるでしょう。しかし私は、それで心の平静を保てるのなら、まあ、いいではないか、という気持ちになりました。
大体死んで欲しいと書いてあるだけで、実際に夫を殺した人はいないようですから、実害はないのです。死んで欲しいと願うことと、実際に夫を殺害することにはかなりの差があります。多分、願っているだけでは、夫は死にませんから大丈夫です。
それに夫婦のことは傍からはわかりません。私の母も父が元気だった頃は、文句の連続でした。毎日のように離婚したいと言っていました(確かに父は度が過ぎた酒飲みでしたが、仕事はちゃんとしていて、給料も母に渡していましたから、私は母だけがかわいそうだったとは思っていません)。
夫婦はどうなるか、誰にもわからない
そんな父と母が私は嫌でしたが、父は49歳で脳出血で倒れて、まったく働けなくなってしまいました。そうしたら母は離婚するどころか、正社員として働きだし、家計を支え、父が亡くなるまで面倒を見たのです。夫婦の真の姿はなかなかわかりようがありませんし、どんな方向に進んでいくのかもわかりません。
今、旦那デスノートに書き込みをしている人の未来もどうなるかは、誰にもわからないのです。ただ、本気で死ぬのを待っているなら、私はあまりおすすめしません。私の父は49歳で倒れ、今夜がヤマですと医師に言われましたが、実際に亡くなったのは73歳でした。
人間はそう簡単には死にません。その前に違う道を行く選択をした方が良いでしょう。踏ん切りがつかないのは、環境が変わるのが怖いのかもしれません。人間はたとえ良い方向であっても、変化を怖いと思うものだそうです。変化の前に怖いと思うのは当然なのだとわかっていれば、少しは落ち着いて前に進めるかもしれません。
それにしても、結婚生活は大変です。この先、結婚する人はドンドン減っていくのではないか、旦那デスノートを読んでいて、そんなことも考えました。とにかく不幸な結婚をしているすべての女性が、人間の誇りを失わない生活ができるようになって欲しいと思っています。
旦那デスノートにはその手伝いを真剣にしてくれるよう、お願いしたいです。