主婦歴30年の悲しい工夫

生活

主婦になってから今月でちょうど30年が経ちます。子どもの頃は30年というのは、ほぼ永遠の時間のように思われましたが、そうではなかったようです。

一生懸命真面目に主婦をやってきましたが、私はどうも料理が苦手で、やる気もあまりありません。最近はスマホでいろいろとレシピを検索したり、疑問を解消できるので、少しはマシなものを作れるようになりましたが、昔はありえない失敗をしました。

私のありえない失敗

それは砂糖と塩を間違えるというものです。私が使っている砂糖と塩を入れる容器は、結婚して間もなく夫が買ってきたもので、同じ形の容器が横に3つ並んでいます。買ってきてあげたよ、と言われた私は何の疑問もなく、それを受け取り3つ並んでいるので砂糖、塩、そして後の1つには小麦粉を入れました。

そう3つすべてが白いものだったのです。よく見ると粉の質感はまったく違うし、並べる順番を決めておけば間違いはしないと思っていました。確かに子どもが生まれるまでは大丈夫だったのですが、次女も生まれて私に余裕がなくなった頃に、初めて砂糖と塩を間違える失敗をしました。

夕食のときにキュウリとワカメの酢の物に使う三杯酢を作ったつもりが、砂糖と塩を間違えたために、しょっぱくて食べられないものになってしまいました。もうあれから25年が経ちました。こんなにハッキリと覚えているのは、それが原因で大喧嘩になったからです。

夫婦喧嘩に発展

しょっぱい酢の物を何とか食べられるようにならないかと塩抜きをしようとした私に、イライラした夫がこう言いました。

それはもう食べられないよ!さっさと捨てな。いくら俺の給料が安いからって、そんなものまでケチらないでよ。

これで私の怒りにも火がついて売り言葉に買い言葉となりました。私としては、一生懸命に作ったものを捨てたくなかっただけでしたが、今考えると自分が失敗したことを認めたくなかったのでしょう。

とにかく言い合いをする私たちを見て、娘たちはワンワンと泣き出し、さんざんな夕食となってしまいました。その後、容器に塩と書いたラベルを貼りましたが、もう一度砂糖と塩を間違えたことがありました(もうよく覚えていませんが、そのときは、失敗したものをさっさと捨てたと思います)。

失敗しないための工夫とは

とにかく2度めの失敗からは、もう私は砂糖と塩を間違えていません。ラベルを貼っても間違える自分に見切りをつけて、私は白い砂糖を買うのを辞めました。

きび砂糖などの色のついた砂糖を買うようにしたのです。これらの砂糖には褐色の色がついています。味も普通の砂糖に比べると少々クセがあるように思います(私はこのクセが好きですが)。色がついていると言うだけで、一目で区別が付くようになり、間違いはなくなったのです。

煮物のときは気になりませんが、お菓子を作るときは砂糖の色が出てしまいます。しかし、私にとっては砂糖と塩を間違えないことの方が重要です。この先も私は色のついた砂糖を買い続けます。この失敗しないための工夫、実は娘たちにもわかりやすいと評判が良いのです。

夫だけは砂糖は白いものだと文句を言っています。でも、色のついた砂糖には栄養的にも優れた点があるそうですから、使って悪いということはないはずです。これからも堂々と使いたいと思います。以上、主婦歴30年の悲しい工夫でした。

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