ずっと魅力がないと言われたら…

生活

都道府県魅力度ランキングはもうご存知ですよね?関東の北4県(群馬、栃木、茨城、埼玉)はいつも下位をさまよっている状態です。私は埼玉県在住ですが、自分が住んでいて不便だとか、風が強いとか不満を感じているため、下位だとわかってもまあ、仕方がないかななどと思っていました。

毎年話題になる茨城の方々も、最下位ということでショックを受けてはいるのでしょうが、それを逆手にとってたくましく県の魅力をアピールしているように思われました。

本気で怒ってしまった

ところが今年は順位が下がったことに、本気で怒りを覚え、それを公衆の面前で表明する人物が表れました。それが群馬県知事です。知事はこのランキングが県民の誇りを傷つけ、それが経済活動にも影響する、場合によっては法的措置を辞さないとおっしゃっていました。

確かに自分が住んでいるところをバカにされて嬉しい人はいません。それにどの県も独自の役割がありますから、なければ困ります。

例えば埼玉なら、昔から都内で働く人たちに格安の住居を提供してきましたし、今回のコロナ騒ぎでは北関東への防波堤となったのは確実です。埼玉よりも北の関東3件での感染者の少なさは埼玉県のおかげではないかと、私は思っています。

都内の企業の工場があるのも埼玉県内のことが多いです。広い土地が確保できるのに、都内に近いという立地の良さがあればこそです。私は埼玉県は誇りを持って良いし、それはどの県でも同じだと思うのです。

きっと群馬県知事は群馬に誇りと愛情を持って知事をしていたのでしょう。それを何度も魅力がない、すなわち人が住みたいとは思わない、ということを言われるのでは(直接ではなくても、魅力がないと言われるのはそういうことです)、たまったものではありません。

そういうことは、個人の関係でもあると思います。最初のうちは冗談だと受け流していても、回数が重なると、終いには怒りに火がついてしまうわけです(なにしろ魅力度ランキングは毎年ありますから)。

実はやはり傷ついていた?

法的措置も辞さないというのは、あまりに大げさですが、私は知事の気持ちがわからなくもないのです。残念ながら群馬県民の反応は冷ややかなようで、本気で怒るなんて恥ずかしいとまで言われる始末です。

しかし、この反応は実は県民が本当は傷ついていた証拠ではないでしょうか。ランキングなど本当は気にしていない、だから何位だろうと構わない、こんなふうに自分の気持をごまかしていたのではないかと思えてならないのです。

ランキングでも、競争でも、1位がいれば必ず最下位がいます。そうでなくてはおかしいです。上位になれば嬉しいでしょうが、都道府県は場所を交代することもできないし、急に何かの対策をして効果が出ることもありません。ある県は常に上位を保証されますが、ある県は常に下位に甘んじなくてはなりません。

魅力度ランキングを主催しているブランド総合研究所では、法的措置を辞さないという知事の姿勢は言論の自由への圧力だと語っているそうですが、下位の県にもう少しいたわりの気持ちがあっても良かったかな~、と考えてしまいます。

都道府県の魅力度ランキングはお祭り騒ぎとしては楽しいものですから、何か方法はなかったのでしょうか?群馬県知事だって振り上げた拳を下ろせなくて困っているかもしれません。

ちなみに今年埼玉県は38位から45位へと降下してしまいました。風は強いけど災害もないし、安心して住める良い土地なんですがね…

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