我が家には2人の娘がいて、次女は数年前から引きこもり生活を送っています。この次女が、みんなで夕食を食べるのが負担だと言ったのが1年程前だったと思います。
みんなで食卓につきたくないと言い出した次女
もともと我が家は、夫の帰宅が早いために、午後6時半と早目の時間に夕食を食べていました。だから、引きこもりが始まる前から早過ぎるかな、と思っていたのです。
引きこもり生活で昼夜逆転している次女には、6時半ではまだお腹がすかなかったり、眠かったりして食卓につくのが、段々と辛くなってしまったようです。
色々な意見があるでしょうが(たとえばなかなか片付かないとか)、私は今更強制してまで食卓につかせても仕方がないと思ったため、次女に無理してまで6時半に夕食を食べなくても良いと言いました。
食事時間がずれると気になる?
夫はそうは思わなかったようで、次女が6時半に食卓についていないことを随分嫌がっていました。たとえ眠っていたとしても、起こせば良い、今までも食卓につけば食べていたんだからと言い、何度も時間が来ると次女を半強制的に食卓につかせようとしました。
夫にとって、夕食は大切な家族団らんの場で、それから1人でも欠けてしまうのには、抵抗を感じずにはいられなかったのだと思います。
一緒に住んでいれば、親にとって子どもはいつまでも子どものままです。つい、子どもが幼かった頃の生活を続けようとしてしまいます。しかし、子どもの方は状況が変わっていきます。それが成長なのかもしれないし、そろそろ巣立った方が良いというサインなのかもしれません。
よく入院した人が辛いのが夕食の時間が早すぎることだと聞きました(それでも今はかなり改善されているようですが)。これは早すぎること以外にも、自分の好きなときに食事ができないのが辛いのではないかと思います。
入院した人は退院すれば、自分の好きな時間に食事ができる可能性が残されていますが、家庭の中のルールになっていることは、なかなか変わる機会がありません。
食べたいものも違う
食べ物の好みなども大きな問題になってきます。成長とともに、好みが変化していろいろなものを食べられるようになる場合もありますが、我が家の場合はそうではありませんでした。長女にはもともと発達障害の傾向があり、好き嫌いがかなりはっきりしていました。
長女が一時期通っていた神経内科でもその傾向が著しいと指摘されて、本人よりも私の方が納得したくらいですから、すでに何年も前から好き嫌いをなくそうなどという努力はしなくなっています。次女もみんなで食卓を囲むことが負担になるような状態ですから、しょっちゅうあれが嫌だこれが嫌だと言います。
それを私は食べないならそれで良い、と放置している状態ですが、夫にはそれが気に入りません。夫は自分が美味しいと思うもの(レバニラ炒めとか蕗の煮物とか、若い女性は喜んで食べるのか少々疑問です)をみんなでシェアして楽しく食事をしたいと言う願望があるため、たとえ食べなくても、毎回作って食卓に置けば良いのではないかと言ってきます。
それはごく小さな子どもには有効な手段かもしれませんが、28歳と25歳の娘たちにしても無駄なように私には感じられます。
明らかに食べたいものが違うときは、自分で食事を用意することにしても良いかもしれませんが、後片付けの問題など(私は1日の最後には、ガスコンロ、シンクの中などをすべて拭き上げたいのですが、それをみんなは嫌がります)を考えると、それもなかなか難しいのです。
家族でも音が気になる
起きている時間の違いから生活音に関しても、お互いがストレスを溜めています。
次女は特に日頃から眠れない、うるさい、と文句を言っていることが多いです。様々な音が気になっているようですが、やはり家の中の音が気になるそうです。
夫はほとんど集合住宅で生活したことがないこともあり、家の中を歩く音、食事のときの食器の音がとても大きいです。一緒にいる私がうるさいと感じるので、たまに素直な感想を述べると(つまりうるさいと伝えると)逆ギレされて、もっとうるさいことになります。
大人だけの生活、実は難しい
こう考えてくると、家族で生活しているからぶつかることばかりです。これは全員が大人になっているのに、家族だということに安心して、思いやりを忘れているために起こっていることにような気がします。
赤の他人同士が暮らすシェアハウスなら、もっとお互いが思いやってうまく生活できるのかもしれません。
実家というものは、子どもが成人するまでの役割しかないのだということを、最近よく感じます。ほぼ対等な関係の大人同士が暮らすためには、他人に対するのと同じくらいの気配りと思いやりが必要になるのではないでしょうか。
本当に子どもはもう巣立ちました、などと言っている人のことが羨ましくて仕方がありません。私も一旦、この巣を空にしてリセットしたいと思っているのですが、我が家は当分このままだと思います。
こうなったら、何とかうまく顔を合わせる機会を減らして、自分の気分転換をしなくてはいけませんね。