不公平と思う気持ちの裏

不公平がないように比較をしている女性 生活

もう何度もこのブログに書いていますが、我が家の次女は5年前から引きこもっています。最初大学を中退した時は、アルバイトをしていましたが、それも行けなくなり家からほとんど出ないで生活しています。

かと言って家で何かをするわけではありません。最初のうちは気が向くと料理などをすることもありましたが、それも今ではまったくと言って良いほどしなくなりました。

長女は自分の道を進んでいるように見えるけど

長女はその点、はっきりしていて専門学校を卒業するときから普通に就職するつもりはないと宣言していました。漫画を書きながらアルバイトをすると言って、本当にその通りにしたのです。一時期は週刊誌の小さなコーナーを新人漫画家数人で担当したことがありましたが、コロナ禍でそれも立ち消えになってしまいました。

だから、我が家の娘たちはどちらも定職に就いていないことになります。しかし、長女はアルバイトとは言っても、自分で国民年金と健康保険を支払い、家にいくらかのお金を入れています。月に数万ですが、あるとないとでは大違いで私はそれを嬉しく思っています。

夫はせめて長女だけは普通に独立して欲しいと願っているようで、今の状況に満足はしていないように見えます。この11月2日から、娘は専門学校時代の友人たちと個展を開いていますが、それも自分たちの持ち出しで、収入に結びつくものではありません。

夫はこの個展についても、こんなことをしていたらそのうち今のアルバイトもクビになってしまうと、心配しているのです。

10月中から個展に出す絵を描くために、長女はかなりアルバイトをセーブしていましたし、1週間の個展中は毎日会場に出かけるために、やはりアルバイトは休んでいます。個展の会場を借りるのも自分たちの負担になるでしょうから、収入に結びつくどころか貯蓄もなくなるのではないかと思います。

不公平なのは私たちの心の中かも

それを見ていると不安になる夫の気持ちも理解できます。しかし、私たち夫婦には長女にちゃんと将来のことを考えろとも言えません。次女がただ家にいるだけの現在、長女にだけちゃんと独立しろ、将来を考えろと言うのは不公平に思えました。

と言うよりも、長女が不公平だと感じるのではないかと、心配して言えなかったのです。次女にも早く自分の人生を見つけて、私たちを安心させて欲しいと思っていますが、それを次女に言ったところで逆効果になりかねないこともわかっています。

それに私は不公平なのは今の長女と次女の立場ではなく、私と夫の心の中なのかもしれないと思うようになりました。

長女や次女に早く独立して欲しいと願うのは、もちろん人間として幸せに生きて欲しいと言う思いがあるからです。もうすぐ夫は定年退職を迎えますから、そうなると経済的にもっと厳しくなるからその前に独立して欲しいという事情もあります。

しかし、夫はともかく私の心には学校に行く、働いて収入を得る、家事や家業に携わるなど以外の生活を軽んじる気持ちがあったのではないかと思います。だから、次女を早く何とかしたかったのではないかと自分で感じています。

1度は次女に対してこんなことを言ったことがありました。

そんなに外に出るのが嫌なら、家で家事をしてよ。そうしたら私が外に働きに出るから。私は正社員にはなれないだろうから、早く帰って来て手伝いはするよ。

自分の不公平に気づいたけれど

次女が引きこもり出して5年、その間に実家の母は亡くなり、私も年齢を重ね、段々と自分のこれからを考えるようになりました。これからもっと私は年を取り(まあ当然ですね)、できないことが増えるでしょう。娘たちが世間一般の生き方をしないことを責めるなら、それはすべて自分に返ってくるのではないか、と思うようになったのです。

だから今、娘たちの生き方を認めたいと思っていますが、それだと生活の不安は一向に解消しないのも事実です。働いて収入を得るだけが、まっとうな人生ではないですが、今の社会は収入がなければ、生きていくのが難しくもあります。

私は一体どうすれば良いのでしょうか。それとも、これも数年後には笑い話になるのでしょうか。

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