俳優・香川照之さんが3年前に起こした性加害事件が、なぜか今明らかになりました。司会を務めていた朝の情報番組は降板、コマーシャルも打ち切りとなりました。性加害事件は絶対にあってはならないことだし、これは犯罪と言っても良いことですが、今回の報道で私は物悲しい気持ちになっています。
昆虫番組を見ていてヒヤヒヤした
私には、香川照之さんが距離感がわからない人のように思えます。彼は東大卒業のインテリですが、なぜか人としては不完全でかわいそうな気がします。私は何度も彼の昆虫に特化した番組を見ていますが(長女が好きな番組なので)、昆虫への扱いが紙一重だと思ったことが何度かありました。
昆虫が大好きで、頬ずりせんばかりの様子が、好きだけど加減を知らないように思えてならなかったのです。下手をすると大好きな昆虫を傷つけるのではないか、とも思えました。昆虫が好きという気持ちに嘘はなくても、こうすれば昆虫が嫌なのではないか、傷つけたらかわいそう、という考えは彼にはないのではないかと思えるのです。
香川さんは周りの誰にでも同じ調子だったように思います(きっと昆虫も人間も一緒だったのでしょう)。彼の母親は、何度もおかしいと思ったことでしょう。勉強はこんなにできて、頭が良いのに、なぜ人として基本的なことがどうしてもわからないの?と思ったのではないでしょうか。
最初からないものは伸ばしようもない
香川さんは小学校(確かTBSの番組でそう言っていたような…)から教育に特色のある私立の学校に通いましたが、それは少しでも彼の良いところを伸ばし、人間性全体を底上げするためではなかったのかと思うのです。教育は彼の学力は伸ばしましたが、人間性にどのような影響を与えたのかはわかりません。
私たちは誰でも他人が何を考えているのかわかりませんが、それでも相手が涙を流して嫌がることをやって良いとは思いません。大声で嫌だと言われたら、何をしていても手が止まるはずです。しかし、香川さんにはその反応がなかったのではないでしょうか。
彼が有名人だから思い上がっていて、何をやっても良いのだと思っていた可能性もありますが、私には彼が嫌がっているときの悲鳴と、喜んで大きな声を出しているのとの区別がついていなかったのではないか、そう思えてなりません。まあ、あくまでも昆虫番組を見ていただけの私の推測でしかありませんが…
結局教育だけでは、もともと欠落していた何かを埋めることはできないのではないか、と思います。それなりの病院に行けば、香川さんは何か精神的な傷害が見つかるのではないでしょうか。
何もかもなくなる悲しさ
今回の事件で彼の抱えている不完全な精神があらわになってしまいましたが、彼の今までの活動が私たちに与えてくれたものも大きかったはずです。それがすべてなかったことにされてしまう、そしてもうこれから彼の活動を見ることもないのかと思うと、残念で物悲しい気持ちになります。
そして、このまま放っておいても、きっと香川さんは良くならないでしょう。それもまた、悲しいのです。断罪してそれで終わりでは、この先どうなるのかと考えてしまいます。
私も人との距離感がつかめません。それで失敗もしています(性加害はしませんが)。大なり小なり誰でも持っているものが、彼の場合は少し大き過ぎた、そんな気もするのです。