次女も夫も風呂に入らないという記事を書きました。
よく考えてみると、私の母も風呂に入らない人でした。もともと風呂に入るのを面倒がる人でしたが、具合が悪くなってからはそれが顕著になっていたと思います。
入院していても風呂を嫌っていた母
母の具合が悪くなってからは、1回だけ母の入浴に付き合ったことがあります。もう、身体のあちこちに痛みがあり、浴室に入るのも不安だったのかもしれません。
そのときはお湯で身体が暖まると、痛みが和らぐような気がすると言って喜んでくれましたが、すぐにまた風呂には入らないといういつもの母に戻ってしまいました。
私が入浴に付き合ってからすぐに、母は入院しましたが、そこでも頻繁に「身体を拭きますよ」とか「今日は入浴しましょう」と言われたそうで、いつも母は怒っていました。「私はそんなに汚くないわよ!」と言うわけです。
ただ、母は元気なときでも、冬は2~3日に1度の入浴で十分だと思っていた節がありました。シャンプーももちろんその頻度ですし、何ならもっと少なくても良いと考えていたのかもしれません。
母にしてみれば、入浴は水とガスのムダ遣いであり、贅沢なものです。そのムダ遣いをした挙げ句に、肌が荒れるとクリームを塗ったりするのは愚の骨頂だったようです。
その気持ちは私もわからないことはありません。母の子ども時代に井戸で水を汲み、薪で風呂を沸かすのは大変な作業だったはずです。しかし、それはもう遠い過去のことです。
そんなことで、いちいち看護師さんたちに楯突くので(何かにつけて触らないで、放って置いてと口答えをしていました)、母と看護師さんたちの関係は微妙なものになってしまいました。
すでにそのときの母は自分では動けず、入浴はすべておまかせの状態です。それなのに嫌だというのですから、せっかく勧めてくれる看護師さんたちは面白くなかったに違いありません。
入浴が大問題に
身体を清潔に保とうと言うのは、決して悪いことではないので、嫌がる母の方が分が悪くなります。別に自分のふところが痛むわけではないので、黙って言う通りにしておけば良いと思いますが、自分は汚くないとか、他人に肌を見せたくないとか、譲れない理由があったのでしょう。
母の気持ちがもう少し尊重されていれば、母もあんなに意固地にならずに済んだのかもしれないと思いますが、今となっては確かめようがありません。
私はつい、面倒を見てくれる看護師さんたちに申し訳ない気持ちになり、事あるごとに「すみません」と謝罪の言葉を連発。それがまた、母には面白くないようで、私はしょっちゅう母から「お前は病院の味方ばかりする」、「お前は病院の犬だ」などと言われる始末でした。
母が風呂に入らないことで、誰もが不愉快な気持ちになりました。母自身も結局は入浴させられて(やはり介護する側からすれば、不衛生なのはダメなのでしょう)、不愉快になっていたのです。
大問題になる前に入浴した方が良い
風呂に入るか入らないかだけで、こんなに大問題になるんだな…と思ったために、今も私は次女や夫が風呂に入らないからと言って、文句を言わないのかもしれません。ただ、人間が生きていれば、永久に風呂に入らないわけにもいきません。
いつかは入るのですから、汚れきる前、または「入りましょう」と促されたときに入浴したら良いのに、と思います。汚れきってからでは結局時間がかかります。もし、誰かに入浴を介助してもらう場合は、介助者の負担になるのではないでしょうか。
私の周りでは次女、夫、母が風呂に入ることを嫌がっています。もしかして、風呂って本当に面倒くさくて嫌なことなのではないか、と思えてきます。夏は暑いし、冬は寒いし肌がカサカサになるし…
しかし、私は今日もちゃんと入浴します。身体を暖めるには良い方法ですよね。