我が家のすぐそばにある精米店は遠い親戚です。だから、米は精米店で買うようにと夫には言われてきました。そう言われたからではありませんが、私もほとんど米は精米店で買ってきました。
精米店で米を買うのはハードルが高いが
精米店は配達をしてくれるので便利ですが、スーパーやドラッグストアに比べると、価格は多少割高な印象があります。配達してもらうにしても、自分で買いに行くにしても親戚なので、一々挨拶が必要です。
それに親戚とは言え、精米店の主人夫婦はなかなかに気難しく、それでなくても人付き合いが苦手な私にはお米を買うのがとてつもなく憂うつになることもありました。
それでも精米店で米を買うのは、結婚してすぐの頃に米不足になった経験が影響しています。1993年、記録的な冷夏のために米の生産量が激減、店頭から米が消えた店もありました。
当時住んでいた家の近くに精米店があって、私はたまたま何度か米を買ったことがありました。お店の方がそれを覚えていてくれて、何度か貴重な米を売ってくれたのです。なんというか、精米店で米を買うのを諦めるのは、自分から命綱を手放すような気がします。
ルートが確保できていると心強い
自分でも大げさだと思っていましたが、実はそうでもないことに気がつく出来事がありました。それが2011年の東日本大震災です。
やはり店頭から米が姿を消し、人々は米探しに躍起になっていました。親戚の精米店にも普段は来たこともない人たちが次から次へと押しかけ、米を売ってくれと頼まれたそうです。
精米店の主人は、こう言ったそうです。
今ここにある米を売ってしまうわけにはいきません。普段からウチを使ってくれるお客さんが優先です。それでも数に余裕があったら、あなたがたにも売りましょう。
幸いにして、私はもう少し事態が落ち着くまで米を買わなくても済みました。親戚の手を煩わせずに済んだのは何よりでしたが、米を手に入れるためのルートを私は確保していたんだな、と思うと心強かったのは事実です。
あえて災害時のために備蓄などはしていない私ですが、米は精米店で買うと決めていることで、多少の備えになっているような気がしています。
こんなことにも気をつけたい
そう言えば、精米店の従業員からも貴重なことを教えてもらいました。彼は大きな地震の後、すぐに配達用の車をガソリンスタンドへと走らせたのです。
大きな災害の後はガソリンスタンドにガソリンが入ってこなくなるかもしれない、と彼は言っていました。彼は何か災害があると、すぐに配達用の車に給油をして、満タンにしていたそうです。
本当にあの後、給油ができなくなり、1ヶ月以上はガソリンをケチりながらの生活になりましたから、私も今度何かあったら、すぐに給油に向かおうと思っています。