私にもちゃんとやっては伝わらなかった

ブログ好き

先日紹介したブログ「グレーゾーンなわたしたち」にとても納得できる記事がありました。「”ちゃんとやって”は伝わらない」というタイトルですが、まさに子ども時代の私がよく感じていたことを、言葉にした記事でした。

ブログを書いているはっさくさんの夫はADHDという発達障害です。これは障害と名前が付いていますが、不注意になる、集中力が続かないなどの私たちでも持っている特徴が強く出てしまうというのが実際のところです。

よく使う言葉で混乱させる?

しかし、私たちが思っている以上に、この特徴が強く出ているために日常生活に支障が出る人もいます。だから、日常生活に対してADHDは障害になりうるわけです。この人たちに何か指示をする場合、よく使っている言葉をそのまま使うと、指示を理解できなかったり、混乱してしまう場合もあるとはっさくさんは言っています。

その言葉が「ちゃんとやって」です。一気に私は子ども時代に引き戻されました。私も何かにつけてこれを言われたものです。私は自分ではとてもちゃんとしているつもりでした。朝は時間までに学校に行くし、時間割も自分で揃えるし、学校では一生懸命先生の話を聞いていましたが、母にはすぐに「ちゃんとしなさい」、「きちんとしなさい」と言われ続けたのです。

中学に入学して、これからは自分の部屋は自分で掃除しなさいと言われたから、掃除機をかけたのですが、部屋の中をみて母はこう言っただけでした。

もっとちゃんとやりなさい。

ちゃんと、は大きすぎる言葉

私は思い余って、母に聞きました。一体ちゃんとやるとはどういうことか、私は具体的にこれとこれをやれと言われればやるけど、「ちゃんと」の中にどんな内容があるのかまではわからないのだと言いました。

私がそう言ったときの母は、とても白けた顔をしていました。きっとなんてサッシの悪い子どもだろうと思ったのでしょう。しかし、それでも母は答えてくれました。

掃除機ははたきでホコリを落としてからかけなさい。それから、本棚や机の上を拭き掃除して、出しっぱなしのものは仕舞うんだよ。それを全部合わせて掃除っていうのよ。

なるほど、今の私にとってはもっともなことですが、当時の私は学校の教室を掃除したくらいの経験しかありませんでした。誰も教室をそんなに丁寧に掃除していなかったのです。だから私はこう思いました。

それなら、最初にやり方を教えてくれれば良いのに。何も教えずにちゃんとやれと言うのは、怠慢じゃない?どんな人でも具体的に言われないと、わからないと思うよ。

その後私は結婚出産を経て、子育てをするようになりました。なるべくちゃんとやってとは言わないようにと思っていましたが、想像以上にそれは難しいことでした。

「ちゃんとやって」を使わないのは大変!

一々具体的に指示を出すというのは、思った以上に労力がかかることがわかりました。例えば掃除の仕方一つ取っても、一からやり方を説明するのは時間も手間もかかります。とりあえずちゃんとやって、と言っておいて、後からできていないことを見つけて注意する方が楽なのです。

しかし、子どもが相手のときだけでなく、職場の人や結婚相手にも、やはり「ちゃんと」でごまかさず言葉にして伝えた方が良いと思います。最初は自分も面倒だし、相手にも嫌がられるかもしれませんが、お互いの考えの共有やすり合わせといったことができるのではないでしょうか。

「ちゃんと」に頼ると後が大変

私自身、結婚してすぐの頃、夫との考えの共有ができず、共働きの生活(主に家事分担)が険悪になってしまったことがありました。好きで結婚したんだから、お互いのことはわかっているはずという思い込みが、具体的に指示を出したり、要求を言うことを阻み、様々なことが「ちゃんとやっていない」という結果になってしまいました。

私は夫がちゃんとしてくれないと思い込み、毎日の生活がまったく楽しくなくなりました。もっとそこでめげずに話し合っていたら、具体的に2人でどうやって仕事をしながら生活するのかの道筋が立って、今とは生活が待っていたかもしれません。

それにしても、自分が言われても通じなかった「ちゃんとやって」を人には使おうとしたのですから、この言葉には相当の力があります。「ちゃんと」でごまかさず、自分の要求はなるべく言葉にするのが誰と生活するとき(仕事だって生活の一部です)にも必要だと、改めて思いました。これもはっさくさんのおかげです。

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