昔の団地にはエレベーターがない

生活

私が住んでいた団地は5階建てでした。今はどうだかわかりませんが、5階建てまでならエレベーターをつける義務がないということで、エレベーターがついていませんでした。

5階に住んでいる人は大変だったでしょうが、それでも元気なら良い運動だと思えるでしょう。しかし、人間はいつまでも元気でいられるわけではなく、団地に住むのは大変だと感じたことが何度かあります。

団地の階段は担架が通れない

ケガや急病で救急車を呼んでも、担架にのせて運び出すことが難しいのは一番の不安材料になりました。実際に私の父が脳出血の発作で倒れて、救急車を呼んだことがありましたが、部屋から出るだけで苦労をしました。

廊下も階段も狭くて、担架がうまく方向転換できなかったのです。実家は2階だったために何とかなりましたが、最上階の人は困ると思います。何度か大変な目にあった人が出た後、実家があった団地では救急車を呼ぶと一緒にはしご車が来てくれるようになりました。

担架で運び出すのは諦めて、はしご車で患者を外に出そうという訳です。母から話を聞いたときには、意識がある人ならともかく、もし意識を失っている人をはしご車で外に出すなら、それはそれで怖いな~と思いました。

ずっと階段の上り下りができるわけではない

脳出血の発作で入院した父は、帰ってきたときには、右半身が麻痺して、かなり歩行が困難になっていました。杖を使わないと歩くのが怖い状態だったのですが、階段を上るときは杖を使うと怖いし、使わないと危ないということで、慣れるまでかなり大変でした。

実家ではたまたま2階の部屋を買ったのですが、もしそれ以上上の階だったら実家は体が不自由になった父のために引っ越しを考えなくてはならなかったかもしれません。

実際に団地ができると同時に住みだした人の中には、最初は自分も元気だったのに、年齢を重ねて階段の上り下りが辛くなったと言っている人もいました。

自分がそんな状態になるのを若いうちから考えられる人は少ないのかもしれませんが、私にとっては父のような問題よりも、年をとって階段の上り下りが辛くなる方が、現実的に思われました。誰でも年はとりますが、そのとき階段のために体を鍛えている人はなかなかいないと思います。

最後まで困った

父は73歳で亡くなりましたが、病院からすぐに葬儀場には運ばれませんでした。母が最後に住み慣れた家に戻してやりたいと言ったからです。このときも団地と言うことがネックになりました。葬儀屋さんはやはり階段が通れるかと心配していたのです。

しかし母が2階だから何とかしてください、と強く言ったことで父は一旦、自宅に帰れることになりました。階段も無事に通ったのですが、なんとこのときは担架が廊下を曲がれずに立ち往生してしまったのです。

結局父は担架から降ろされ、シーツにくるまれた状態で廊下を曲がることになりました。シーツにくるまれて巨大なキャンディ状になっていた父を見て、私は初めて狭いのがせつないと感じました。

住む前に確かめられると良いですね

団地やマンションなどの集合住宅に住む場合は、もしものときにどうすれば良いのかを確かめてみる必要があるかもしれません。エレベーターのある住宅なら、それに担架やストレッチャーは乗れるのか、確かめられると安心ですね。

病気やケガ、そして死は誰にでも平等にやってきます。階段や廊下のせいでせつない思いをしないで済めば、それに越したことはありません。これは自分のためだけでなく、自分にもしものことがあったときの家族のためでもあると思います。

戸建てと集合住宅、どちらに住むにしてもデメリットは必ずあることを忘れてはいけないようです。

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