「いだてん」が好きだ

生活

何の話かというと、大河ドラマの話です。
視聴率も悪いらしいし、よい評判も聞きませんが、私はNHKの大河ドラマ「いだてん」が大好きです。日本で初めて近代オリンピックに出場した、マラソン選手の金栗四三の一代記であり、1964年の東京オリンピックが開催されるまでの物語でもあります。

金栗四三は報われない人々の代表

幼い頃に体が弱かった金栗四三は、自分なりに長距離を走るコツを学び、健康を手に入れます。
オリンピックにも2度出場しますが、彼の人生は決して順風満帆ではありません。
金メダルを確実視されていたベルリンオリンピックが第一次世界大戦の影響で中止され、選手としての絶望を味わいます。

前回のドラマの中では、金栗は全力を込めて育てた弟子に先立たれて、悲しみの中にいました。
「いだてん」の中には、何の悪いこともしていないのに、報われない人々がたくさん出てきます。
関東大震災、第一次世界大戦、第二次世界大戦など時代の波をもろにかぶってしまう、普通の人々の話が胸に迫ってきて、目が離せなくなります。

東京オリンピックは平和の祭典!その本当の意味

そんな人たちが、やっとの思いで平和を手に入れて、つかんだのが東京オリンピックだということがわかります。このドラマを見て、初めて私の父や母が東京オリンピックに熱中していたわけがわかったような気がしました。

私の実家には、東京オリンピック記念の切手、メダル、チケットの半券などが、たくさんありました。どんなに盛り上がったのかを聞いて育ちましたし、実家は東京オリンピックをきっかけにしてテレビを買ったのだと、何回も聞きました。

父や母から聞いていたときよりも、「いだてん」を見たほうが、熱気が生で私に迫ってくるような気がします。本当に平和の祭典だったんだ、1940年からずっと待って、やっと手に入れたオリンピックだったんだとわかって、私までワクワクしています。

本当のオリンピックよりも「いだてん」が好き

実は私はスポーツはするのも、見るのも興味がないという人間ですが、その私を「いだてん」のオリンピックはワクワクさせてくれます。もう「いだてん」も最終章に突入です。
オリンピックの話だけでなく、登場人物同士が最初は全く関係がないようでいて、実はかっちりと噛み合って、組木細工のような美しさを見せてくれる演出も私は大好きです。

そんなにうまい話はない、とわかっていても、それを納得させてしまう何かが「いだてん」にはあります。人生に何1つムダなんてないことを一生懸命伝えようとしてくれているとしか、私には思えないのです。

視聴率にとらわれないドラマをこれからも!

戦国と幕末だけが大河ドラマじゃない、と見せつけてくれたように思える今回の「いだてん」、ドラマは視聴率だけじゃないんだともわからせてくれたようです。スポンサーがついていない、受信料だけで成り立っているNHKだからこそできるドラマだと思います。

何回もいいます。私は「いだてん」が大好きです。最終章が待ち遠しいけど、終わるのがもったいない、複雑な思いの中にいます。

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