熟年夫婦について・その2

お互いの言葉に腹を立てる夫婦 家族

昨日、私たち熟年夫婦(1960年代生まれ)が結婚して30年ほども経つのに、うまくいかない理由について、自分なりに考えて記事にしてみました。でも、まだ書き足りないことがあったので、もう1度記事にしてみようと思います。

男女平等のはず

今、夫が家にいると嫌だと思っている人は、若い頃、結婚生活の中でうまくいかなかったことがあったのではないでしょうか。

例えば育児が妻任せで、全く夫が協力してくれなかった、共働きなのに妻の方にすべての家事の負担がかかってしまった、こんなことがあると妻の心の中には、夫は一番自分が困ったときに知らんぷりをしていた人間だという記憶が強く残ってしまったはずです。

私たちより年上の人たちは、高度経済成長時代の最中に結婚生活を始めた人たちが多く、男性は働けばその分見返りがありました。女性は家庭の中にいて男性を支えるだけで十分に生活が成り立った家庭が多かったのです。家事や育児の分担が問題になることも少なかったでしょう。

現在50代後半から60代前半のいわゆる熟年層になると、男女は平等だと言う考えが一般的になりました。実際に女性もドンドン進学・就職するようになり、男女に差がないことを証明しているかのようでした。私も学生時代や独身の会社員時代には女性だから不利だという感覚はあまりありませんでした。

結婚生活は別だった?

ところが結婚してみるとどうでしょうか。家事も育児も女性がするのが当然という事実を突きつけられてしまいます(女性自身もそう考えているから、余計に負担になるのは言うまでもありません)。

夫も男女平等の意識はありますが、やはり自分が率先して会社帰りに買い物をして夕食を作ってはくれません。妻だけが毎日、終業時刻が近づくと頭の中は夕食のことだけになり、1秒でも早く家に帰ることになります。

夫の方も決して悪気があるわけではなく、何をしたら良いのかわからないだけです。疲れて機嫌が悪くなる妻に、常に夫はこう言います。

世の中の夫
世の中の夫

何をして欲しいか言ってよ。言ってくれたら何でもするからさ。言われないと本当にわからないんだ。

でも、妻も家事に慣れていないことに変わりはありません。慣れていないと指示をうまく出せません。どう言おうか考えているうちに、さらに疲れてしまいます。そして妻はこう考えるようになります。

世の中の妻
世の中の妻

もう、お願いするのも面倒くさい。彼には家事をする気がないんだわ。自分でやっちゃった方が早いし、気が楽だから、もういいや…

若いときの生活が熟年になってからを決めている

こうして夫と妻は意見をすり合わせることもなく、日々を送ることになります。赤の他人が家族になるチャンスを逃しているわけです。同じようなことが子どもが誕生したときにも繰り返され、それが夫婦の溝になって残る場合もあります。

こんなことの後、妻の取る行動は様々でしょう。負担を我慢しながら仕事を続ける人もいれば、仕事を諦め、家庭に入る人もいるでしょう。私は家庭に入りました。体は楽になったし、仕事と家庭のことを両方考えてバランスを取るよりも気持ちも楽になりました。しかし、経済的にはかなり苦しくなりました。

夫だって失う

このとき、妻だけでなく、夫も大きな物を失います。 子どもが幼いときは、金銭的なことはなんとかなりますが、成長するに連れてそうはいかなくなります。今は1本の大黒柱に寄りかかれる時代ではないようです。もう1本の大黒柱を失ってしまうのは、夫にとってももったいないことではないでしょうか。

我が家でも長女は漫画家になると言って、27歳の現在もアルバイトをしていますし、次女は引きこもっているので収入はありません。そして私は専業主婦です。我が家の夫の心は一体いつまで自分が家族を支えれば良いのかという不安でいっぱいのようです。

私たちにできることは?

夫は不安でいっぱいなのに、妻は今ひとつ優しくしてくれない、経済状態も安心できないとなれば、客観的に見てかわいそうな生活です。このような夫は世間にたくさんいるような気がしますが、今からできることはないのか考えてみました。やはり、やり残したことをキチンとやるしかないと思います。

具体的には、2人の考えを今からでもすり合わせるのです。このために熟年夫婦は2人で旅行に出かけるのかもしれませんね。旅先なら、自宅よりもじっくりと話ができるように思います。

私の知り合いの夫婦は、言い争いを一切しないで離婚しました。スマートですが、少し寂しいですね。せっかく家族になったのだから、言い争いになったとしても、それは真剣なコミュニケーションです。

夫婦に残された時間はかなり少なくなっているはずです。自分が後悔をしないためにも、できることはやってみたいと私は思います。今さらアツアツのカップルになろうというのではありません。人生をともに歩んできた同士として、絆を深めたいだけです。

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