夫はけんちん汁が好きです。一度作ると、当分けんちん汁を飲みたがります。私はけんちん汁を嫌いではありませんが、それほど毎日飲みたいとは思いません。
住んでいる地区では、けんちん汁が一番
夫は普段はそれほど汁物を必要とはしません。夕食のときは大抵酒、それもビールを飲んでいるので、汁物は要らないというのです。ところがけんちん汁だけは別なのだそうです。酒を飲みながらけんちん汁を飲むのは、夫の中では自然なことらしいです。
私が住んでいる地区では昔から、冬になるとけんちん汁を常食していました。この辺は農家が多く、冬にたくさん取れる大根や里芋などを使うために、けんちん汁は都合が良かったのだと思います。家庭で毎日のように食べるだけではなく、人が集まる機会があるとけんちん汁が登場しました。
私は子どもの頃に現在住んでいる市に引っ越してきました(違う地区ですが)。そのとき初めてけんちん汁の存在を知りました。それまでは同じ立場には豚汁がいました。入っている具材はほとんど同じだったので、最初はどちらでも同じではないかと思っていました。
しかし、この地区の人たちのけんちん汁への思いはとても強いようで、豚汁はどう頑張っても、けんちん汁の代わりにはならないようすです。その証拠に、今でも豚汁を口にする機会はほとんどありません。
すぐに作らなかったら険悪に
今年も寒くなってからは何度かけんちん汁を作ってきましたが、先日夫がまた食べたいから作ってと言ってきました。ただ、そのときは食材の都合で作りたいものがあったので、作らなかったのです。
それが夫には気に入らなかったようで、何度も何度もけんちん汁を作れと言ってきます。もともと夫は自分の食べたいものがあると、作るまで何度でも要求してきて、とてもうるさいです。
普段ならそれが嫌で私はすぐに言うことをきくのですが、今回はそんな気になれなかったのです。と言っても2~3日のことですが…
とにかく私がすんなりけんちん汁を作らなかったことで、微妙に夫婦の雰囲気が悪くなりました。
お互い様の気持ちを持って欲しかった
ただ、最近夫は疲れたと言って用意した食事を食べなかったり、友人と会ってそのまま飲みに行ってしまったりということがしばしばあります。私はそんなときに、無理に夫に用意したんだから、食べろと言うことはありません。
夫は必ず次の日には用意してあったものを食べているんだから、食材を無駄にしているわけではないと言いはりますが、私はそれも何か違うと思います。食べれば良いと言うものではないのです。
食事はこなさなくてはいけない義務ではないからです。作る人と食べる人の間には思いやりがないと、関係が続いていかないのではないでしょうか。
夫もお互い様の気持ちで、数日間けんちん汁を食べられなくても、しばらくは待ってくれると嬉しいと思っていますが(作りたい人が作りたいものを作るのは大切なことですから、これを尊重して欲しかったです)、これからどうなるでしょうか。とりあえず私からは何のアクションも起こさず、静観するつもりです。
それにしても、作れ作れと言われると、作りたくなくなるこの心理は一体どうしたものでしょうか。単に私が天の邪鬼なだけでしょうか?私は今までけんちん汁を大切にする夫に付き合ってきました。しかし、それは私の好意によるものです。私にはけんちん汁への思い入れはなにもありません。そこを夫にもわかって欲しいと思うのは私のわがままでしょうか。
とにかく、くだらないケンカですね。でも夫婦ゲンカって、みんなくだらないような気がします。