心の病気は目に見えない

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大学の同級生で、心の病で苦しんでいる女性がいます。
私が大学を卒業したのは、今から33年前ですからその間ずっと彼女は病気と付き合ってきました。もう5年以上前にですが、彼女からリハビリのために電話で話したいと連絡がありました。
もともとおとなしい性格の人でしたし、懐かしさもあって、私は気安くOKしたのです。

終わりがない電話とメールで…

最初のうちは他愛もない世間話が楽しかったのですが、次第に毎日の長電話が苦痛になっていきました。午後のひとときが彼女との電話だけで終わってしまう日が続きました。
彼女は病気をしたために、就職も結婚もしておらず、話をしているとまるで時が止まったかのようでした。おばさん扱いされた、などと本気で怒って電話をしてきた日は、なだめるのに苦労をしました。

電話の度に私は、家事などもあるからそんなに長い時間は話していられないことを伝えましたが、効果はありませんでした。そのときは、『ごめんなさい、今度から気をつけるね』といってくれるのですが、電話の回数はドンドン増えていきました。

留守電にして少し電話にでないようにしていると、今度はメールが来ました。『早く話したい、電話に出て』というメールがそのうちに『ストーカーに付け狙われている、犯人は大学の同級生の男の子だ』という被害の訴えになっていきました。

電話やメールが早朝から来るようになりました。朝食を食べていても、お構いなしでした。
電話に急かされる毎日がホトホト嫌になり、私は自分から彼女にメールをすることにしました。
『もう2度とメールも電話もしてこないで。もう付き合えない』
こんなひどいメールをまさか自分が同級生に送るとは、思ってもいませんでした。

彼女は今どうしているのか

それきり電話はかかってこなくなりましたが、私は携帯電話も解約してしまい、年賀状もほとんど出さなくなりました。彼女は今どうしているのか、気にならないといえば嘘になります。
特に私の次女が引きこもり状態になり、心療内科のお世話になるようになって、少し話を聞きたいと思うこともあります。

でも、私にはその資格がありません。私は途中で投げ出してしまった、後悔の思いでいっぱいです。私自身も人と付き合うことが少し怖くなってしまいました。次女のことは投げ出したくない、そう思っています。

それに自分でも学べたことがあります。人の役に立てると考えるのは、おこがましいことだとわかりました。私は人の話を聞いてあげることもできませんでした。まず自分には何もできないことをわかった上で、それでもしてあげたいこと、できることを探さなくてはいけないのです。次女の問題でこのことが役に立つとよいのですが…

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