想像するだけで胸が痛むこと

コロナ

千葉県で新型コロナウイルスに感染して自宅療養中だった妊婦さんが早産をしてしまい、生まれた赤ちゃんは死亡してしまいました。この女性は、感染がわかったときは軽症と判断されたものの、後には中等症に該当するようになりました。しかし、それでも入院先は見つかりませんでした。

そして今月の17日には、お腹が張るようになり、その後出血と痛みが出てきたことから早産ではないかと自ら保健所に連絡しましたが、とうとう入院先が見つからないまま、その日のうちに赤ちゃんを出産します。その後、母子ともに病院に搬送されましたが、赤ちゃんは亡くなってしまいました。

1人で出産するのは大変なこと

現在、自分1人で赤ちゃんを生もうという人はほとんどいないでしょう。みな、自分と赤ちゃんの安全のために、設備の整った医療施設を望むのではないでしょうか。何かのアクシデントで医療施設以外の場所で赤ちゃんを生むことになっても、そこに励ましてくれる人、見守ってくれる人の存在がいて欲しい、赤ちゃんを生む人はそんなふうに考えるのだと思います。

実際、今生きている女性のほとんどが子どもを生んだとしても、1人か2人という人が多いです。長い人生の中で1度や2度出産しても、それはいつしか忘れ去られてしまいます。世の中のほとんどの人が出産には不慣れです。出産をしたことがない、見たこともない(見たけど忘れている)、そんな人が多いのです。

そんな状況の中、これから出産をしようとする人なら、なおさら不慣れで緊張していると思います。そんな人が家で不安を抱えながらコロナと戦い、最終的にはたった1人で出産に臨まなくてはならなかったと考えるだけで、私は胸が痛くなります。

多くの人がコロナにかかって苦しんでいることは理解していますが、最終的に母子ともに病院に搬送されたのなら、なぜもう少し早くできなかったのかと考えずにはいられません。

それでなくても出産にはリスクがつきものだから

この女性が子どもを生んだときは、多分自分の体の声に身を任せたのだと思いますが、それは時として危険を伴うことになります。私の母が、弟を出産したのは産婦人科医院の待合室だったと言います。

診察室に入ろうと立ち上がった瞬間、意図せずに弟が出てきてしまったのです。辺りは出血で真っ赤になり、付添で一緒にいた父が大声で叫んだのと同時に、産婦人科医がものすごい速さで飛び出してきたそうです。

そうしてもう少しで床に落ちるところだった弟をキャッチしました。もしそのまま生み落とされて床に落ちていたら、弟の命は危なかった、お産にはやはり見守り適切な処置をしてくれる人が必要なのだと、母は常々言っていました(弟は無事54歳になりました)。

一番近くで一部始終を見ていた父は、叫ぶばかりで何もできなかったそうです。出産ではどんなことでも、リスクになる可能性があるのです。

女性の赤ちゃんは本来まだお腹にいなくてはならない妊娠29週だったと言います。適切な処置なしには命をつなぐことは難しかったでしょう。このような妊婦さんが自分から声をあげたのにも関わらず、放っておかれる、悲しいとか辛いとかを通り越して、情けなくなってくるのは私だけでしょうか。

もうこんな社会に希望はない

この女性は、冷静に保健所に相談しています。自分が早産するかもしれない、それが入院することで回避できるかもしれないとわかっていて、そのための働きかけを精一杯行っていたわけです。

それでも、働きかけは実を結ぶことがありませんでした。体はもちろん辛かったでしょうが、この女性の心は一体どうなってしまうのだろう、と思います。声をあげてもすくい上げてもらえない世の中に生きているのだと、わかってしまっては希望がなくなります。

今、感染爆発といわれる状態で、もう自分で自分の身を守ることが必要だそうです。しかし、コロナにかかった妊婦さんは一体どうやって自分の身を守れば良いのでしょうか。

日本の少子化はこれからますます加速するに違いありません。いざというときに、誰も助けてくれないことが明らかになってしまったのですから、それも仕方のないことですね。

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