何度もこのブログにお祭りについて書いてきましたが、このお祭りというのは決して有名な神社の祭りではなく、小さな地域だけで行っているものです。
3年に1度の山車曳きのときは、少し盛り上がる?
普段は宮司さんがいるわけでもない、小さな神社で毎年春と秋に行われるお祭りは、ずいぶん前から訪れる人もほとんどいなくなっています。私の娘たちが幼かったころ(今から20年以上前)は、屋台がいくつか出ていましたが、それもなくなり、余計に人の足が向かないのです。
それでも私たちが住んでいる地域には自治会の役員と並んで、神社の行事係という役職があります。通常はそのような役員の方たちだけで、祭りは行われています。
ただ、神社では3年に1度山車曳きをすることになっており、そのときだけは多少盛り上がるのです。特に今回はコロナやオリンピックの関係もあって9年も山車曳きができなかったため、期待している人が多かったのでしょう。
何とか祭りを盛り上げようと、神社と自治会は相談して、今年の祭りの1日目には地元の中学校から吹奏楽部を招いて演奏してもらいました。確かに中学校の吹奏楽部なら、その保護者が見学に来るでしょう。神社には普段よりも大勢の人がやって来ることになります。
何とかして祭りを盛り上げたいが…
しかし、他のイベントはなかったため、吹奏楽部の演奏が終わると保護者たちも帰ってしまいました。囃子連の一員としてその場にいた夫によれば、後は普段と変わらない状態になったということです。
これがもっと街中で人通りが多い地域だったら、通りすがりの人が吹奏楽部の演奏に足を止めてくれたのかもしれません。ただ、止めてくれたところで、一度廃れてしまった神社の祭りには屋台一つ出ているわけではないため、足を止めた人がいつまでいてくれるのかはわかりません。
そして祭り2日目のメインイベントである山車曳きは、雨で中止になりました。2日目の最後、慰労会を行いましたが、そこで宮司さんは泣いてしまい、挨拶もできなかったそうです。山車曳きができなかったことが、そんなにも悲しかったのでしょうか。
今、急にあれこれやろうとしても無理ではないか?
何でも廃れるよりは、盛り上がっていた方が良いです。私の夫は地域の囃子連に参加して太鼓を叩いていますが、この囃子連では祭りのときに、昔から「足踊り」を人々に披露しています。
足踊りとは、寝転んだ人の足先に、おかめの面とひょっとこの面をつけて踊りを踊っているように動かすというものです。足首から下の部分が顔でスネの辺りは身体になり、足の動かし方一つで小さなおかめとひょっとこが2人で踊っているように見えます。
私は結婚を機会に初めて足踊りを知ったので、とても珍しく思いました。小さな農村に人たちが足踊りを代々伝えてきたことを立派だとも思います。しかし、祭りが廃れ始めたのは今からずっと前のことです。なぜ、今まで放っておいたのでしょうか。
今、急に何とかしようとしても、無理ではないかと思えてなりません。こういうことって、どうするのが一番良いのでしょうか?まずは自分たちが何を伝えたいのかを、明確にする必要がありそうです。
伝統芸能を伝えたいのか、それとも人々に集う場を与えたいのか。それによってやるべきことは違ってくると思います。少なくとも吹奏楽部の演奏は、祭りの本質からはズレているように私には思えるのですが…