新潟県で想定外の大雪のために、大規模な車の立往生が発生、一般の家庭でも停電が起こり、人々の生活を直撃しています。私の亡くなった母は昭和11年生まれ、新潟県の出身です。今回困っている地域に実家がありました。
母は雪が嫌で上京した?
雪が多い地域で育った母は、私が子どもだった頃から、雪に関してはよく話していました。雪で作ったかまくらの中でお餅を食べた楽しい思い出を聞いたときには、子ども心にも憧れましたが、大人になった母は雪を疎ましく思うようになったようです。
高校を卒業して上京した母は真冬にもかかわらずどこの家でも洗濯物、それだけでなく布団まで外に干している光景を見て驚いた、冬なのに太陽が出ていることの開放感、これを求めてみんな上京するのではないかと思ったと言っていました。冬に雪が降っていない、このためだけでも上京して良かったと母は思ったそうです。
暖房器具もなかった…
母の話には昔の家の中が寒かったこともよく登場しました。暖房器具のようなものは練炭を使うコタツだけだったために、毎晩6人姉妹が揃って1つのコタツに足を入れて寝たのだと言っていました。
だから母は後にコタツで寝るとカゼを引く、ということを聞く度におかしく思ったそうです。その頃の母たちは、雪の深い新潟で布団なども不十分なものしかありませんでした。コタツで寝なくてはカゼを引く状態だったからです。多くの人がそうだったように母も関東での生活が当然となり、身の回りには家電製品が増えていきました。子どもの頃の生活に戻れと言われてももう、後戻りはできなかったでしょう。
現在多くの新潟の市民の方々が否応なしにかつての母のような生活を強いられています。私が住んでいる埼玉県でもここ数日は厳しい寒さが続いていますが、きっと比ではないと思います。新潟で困っている方の中には、母の親類縁者も含まれているかもしれません。私が祈ったからと言ってどうなるものではありませんが、早くに電気と交通が復旧するように祈っています。
電力の安定供給を望む
母は晩年に住んでいた埼玉県について、雪が降らないのはありがたいが、風が吹くのが嫌だと言っていました。群馬県程ではないのでしょうが、埼玉県も冬から春にかけては風が吹いてどこもかしこも埃っぽく、乾燥します。きっと雪が降っている新潟では考えられないほどの乾燥なのだと思います。
どこに住んでもそれなりに不満は出てくるのでしょうが、やはり除雪作業に使わなくてはならない労力や移動にかける手間を考えると、雪国の方の苦労は大きいはずです。せめて電力くらいは安定して供給されることを願わずにはいられません(値上げをするんだから、安定供給は必須条件のはずです)。
もう、電気がなかった頃の生活には戻れないのですから。