昔は裁縫セットを持ち歩いている女子が多かった

生活

普段はなくても良いと思っていても、たまに必要になるのが裁縫セットです。私はお裁縫が趣味ではありませんが、やらざるを得ないときもあります。私でも、さすがにボタンが取れただけで服を捨てる気にはなりません。

街でもらった裁縫セット

私が中学や高校に通っていた頃は、携帯用の裁縫セットを持ち歩いている女子が結構いました。持ち歩いている女子は、世話好きな人が多かったように思います。ボタンが取れたときなど、わざわざつけてくれたりしましたから(右袖口のボタンが取れてしまうと、右利きの人は自分でつけるのが難しいのです)。

そんな人が他にも多くいたためか、街でも景品として、裁縫セットをもらうことがありました。名刺サイズのパッケージの中に、数本の針と糸、ボタンや糸通しまで入っていたと思います。糸は何色も少量ずつ入っていたので、私は感心したものです。

ボタンをつけるときに、使う糸の量はほんのわずかですが、ボタンと色が合わないと目立ってみっともないことになります。だから、私は少量ずついろいろな色の糸があると便利だと思っていました。

私は裁縫セットを持ち歩いたことはありませんでしたが、針は何かの拍子に折れるかもしれないから補充のために、糸もきっと必要になるだろうと、もらった裁縫セットを後生大事に取っておきました。

そして現在

それから30年以上が経ちました。使うと思っていた糸はとうとう使いませんでした。自分で買った糸すら余っていて、何十年もそのままでした。学生時代に買ったものも残っていたのです。無料でもらった裁縫セットの糸は、この先もずっと使わないでしょう(針も取ってあったと思うのですが、ありませんでした)。

私は景品の類をずっと取っておくことはあまりないのですが、糸だと思うと捨てられませんでした。これは物を溜め込むときの自分への言い訳だったのでしょうか。

今朝、思いついて糸を捨てることにしました。裁縫道具がないのは困る、こう思っていたから、今まで捨てることは考えませんでしたが、他のものと同じで、中身を見直して、使わないものは捨てることを忘れてはいけませんでした。

考えてみれば、ボタンをつけたり、裾をまつったり、ましてや破れたところをつくろう機会は今、そんなに多くありません。子どもがボタンが取れちゃったと言ってくることもなくなりました。もう、糸も針もそれほど要らないはずです。

今でも、裁縫セットを持ち歩いている人はいるのでしょうか。いるとしたら、何だか懐かしいような気がします。ちなみに私は、外では落ち着いてできないので、ボタンも裾をまつるのも、結局家に帰ってきてからやっていました。裁縫セットは外では必要ありませんでした。

スカートの裾なんか、セロテープで貼ってしのいだこともありますよ。

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