成人の日

生活

35年前、成人の日は1月15日に固定されていました。私は現在と同じ市に住んでいて、成人式を迎えましたが、いろいろな意味で思い出深い日になりました。

振り袖をレンタルするのが惜しかった私

私が成人式を迎えるとき、すでに振り袖を着る女子が多かったことを覚えています。当時、私の実家は父が脳卒中の後遺症で働けなくなったため、母が家計を支えていました。振り袖を買うのは無理だけど、レンタルなら大丈夫だよ、といわれていました。レンタルの代金は当時5万円ほどだったと記憶していますが、私は借りるだけでその値段は高いと考えました。

大学2年生だった私は、5万円で就職活動に使えそうなスーツを買ったほうがよいと考えました。母は本当にそれで後悔しないのかと何回も念を押してきましたが、私はほとんど気にしていませんでした。そして後には、振り袖なんか着ようとしなくてよかったと思うことになりました。

成人式の前日、突然の嘔吐

成人式の前日、私はいつものように自宅で入浴しましたが、その最中に突然気分が悪くなり、大量に嘔吐してしまいました。全裸で嘔吐する私に家族は驚き、すぐに熱が測られました。体温は38度以上で、とにかくその日は就寝することになりました。

次の朝もあまり体調は戻っておらず、そのまま自宅で休んでいようかと思いましたが、母が一生に一度の成人式だから行ったほうがよいのではないか、と何度も私にいうので、渋々行くことにしました。これで振り袖の着付けをするのは、絶対に無理、というほどの体調だったので、本当にスーツにしてよかったと思いながら、化粧もろくにせず、髪にも寝癖が残ったままで会場の市民会館に出かけたのです。

でも出かけてみると、高校時代の同級生に会って自宅に招待されたり(自宅がお寿司屋さんになっていて驚きました)して、楽しい時間を過ごすことができました。家に帰る頃には、すっかり体調がもとに戻って、昨日は何だったのかと思うまでになりました。成人するショックでも感じていたのでしょうか。

あっという間の35年だった

夜は自宅でお祝いもそこそこに、遅れていたレポートを仕上げたことをよく覚えています。レポートを書いていたら、電話がかかってきて、同級会に誘われましたが昨日嘔吐したばかりだから、と断ったことも覚えています。

20歳になるまではとても長く感じたけれど、これからは早いんだろうな、などと当時は考えていました。きっと40歳なんてあっという間になるんだろうな、嫌だなとも思いました。本当にそのとおりで私は今年、56歳になります。

振り袖は着なかったけれど、特にそれが寂しいとか心残りということはなく、今に至っています。成人式はただの1日ですが、やはり大切な1日です。だから私も自分の成人式のことを今でも覚えているのでしょう。

成人式には、自分が思うようにお祝いをするとよいと思います。それが振り袖の人もいれば、もっとほかのことの人もいるのでしょう。

今年成人式を迎えた人はどんな1日をおくるのでしょうか。成人式から先は、いろいろなことがありますが、今はまだ静かなはずです。成人式を迎えたみなさんに、幸せな人生が訪れることを願っています。そしてすでに成人式を終えた私の娘たちにも、幸せな人生が訪れますように(そうでないと肩の荷が降りない…)。

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