昨日の朝、洗面所で身支度をしていた夫が大きな声を出して怒り出しました。何事かと思いましたが、作り付けの棚から長女の持ち物が崩れて来たといいます。
怒った夫が言ったこと
長女は発達障害の可能性が大きいグレーゾーンです。幼い頃から身の回りの片付けがほとんどできないのが、私たちの悩みのタネでもありました。自分の部屋だけではなく、家族が使う共用部分までものが侵食してくるので、見た目も悪いし生活する上でジャマなのです。
洗面所も作り付けの棚、3段のうち2段は長女のものでいっぱいですし、夫が後から付けた棚の中にも長女の持ち物がたくさん入っています。これは長女に対して、夫が1段は自由に使ってと言ったのです。このことで、夫も長女を怒るばかりではなく、少しでも寄り添おうとしているのだなと感じられました。
しかし、昨日夫は久しぶりにかなり癪に障ったようです。崩れて来た中には使いかけの洗顔石けんもあって、周りがベトベトになってしまったので、気持ち悪いとも言っていました。そしてとうとうこんなことを言ったのです。
片付けられないほど、忙しいんだったら、もう絵を辞めるしかないだろう。どうせ絵で食べていけるわけじゃないんだ。趣味なんだから。
長女が絵を辞めたらどうなる?
私は聞いていて、とても悲しくなりました。確かに夫の言っていることは正論です。しかし、私には今長女に絵はきっぱり辞めて、仕事に専念しなさいと言うのが得策とは思えません。長女は漫画や絵を描く時間を確保するために、今のコールセンターでの仕事をしています。正社員ではないから、時間の融通が効いて都合が良いようです。
仕事で得たお金は少しは家計に入れてくれますが、絵や漫画を描くために資金にする目的が大きいのです。だから、絵を辞めてしまったら、長女は仕事にも行かなくなってしまうような気がするのです。次女はこれに関してこんなことを言いました。
長女が片付けられないのは昔からでしょ?時間があるとかないとか、関係ないと思うよ。絵を辞めたから片付けする保証なんてどこにもないよ。
私も長女と次女、両方が独り立ちをしてくれるのが理想だとは思っています。早く人生の重荷をおろしたいと思うのは誰でも同じではないでしょうか。しかし、長女に絵を辞めろと口にするのは、話が別です。これは、誰も幸せにしないはずです。
長女が絵を辞める代わりに失うものはあっても、得るものは何もないと思うのです。じゃあ、どうしたら良いのか、私にもわかりません。
もう、付き合いきれないという気持ち
こういうとき、家族って大変だなと思います。20代で独立や結婚をするなら、結構多くのことを我慢できます(まあ、これも問題を他人に押し付けるわけですが)。しかし、一生一緒に住むかもしれないと思うと、我慢し続ける気力がなくなります。私は長女が小学校低学年の頃に、ガラクタを1つ処分したことがあります。何かのおまけで、もう遊ばないだろうと思い処分しました。
その頃から、長女の部屋は汚く、もので溢れていました。要らないものは捨てようと提案しても、いつも拒絶されていたのです。だから、黙ってそのおまけを処分したのですが、気が付いた長女は繰り返しこう言っていました。
私は自分が持っているものを全部覚えているんだよ。忘れちゃうものなんてない。全部に思い出があって、大切なんだ。それをママは捨てちゃったんだね。
別に長女は怒っているわけでも、悲しい顔をしているわけでもありませんでした。ただ、真顔で淡々と繰り返し私に上の言葉を言い続けるのです。私はすっかり嫌になり、それ以来言葉をかけることはあっても、実際に何かを捨てたり片付けたりすることはありません。私としては、もう付き合いきれないよ、という気持ちでした。
これからどうしよう
そしてその気持ちがその後20年以上も続いているわけです。別に私は長女のことを怒っているわけではないのです。長女の描く絵は大好きだし、良いところがたくさんあるのもわかっています。しかし、長女が片付けられないことで困っているのも事実です。
普段は次女が引きこもりだということに隠れていますが、長女も実は問題です。この問題を抱えたまま、生きていかなくてはいけないのか…もう、無理やり片付けるのだって、一朝一夕にはいかないような状態になっているのです。