先日、こんなブログ記事を読みました。
バスの中で高齢の夫婦と思われる2人連れに遭遇したmihoさん。妻と思われる女性がバスの中で夫を大声で罵っているのが気になったようです。
夫婦ならお互いに感謝をしたいが
妻が今の生活をできるのは、長年働き続けてくれた夫がいたからではないか、という感想を綴っています。だから公衆の面前でそんなに夫の誇りを傷つけるようなことをしなくても…というわけです。夫に感謝の気持ちがあれば、そんなことはできないとも思うのでしょう。
これはまったくその通りだと私も思います。私も夫に文句を言いたいことは多々ありますが、他人の前では極力控えているつもりです(まあ、私の態度には出てしまっているのかもしれませんが…)。
確かに妻が専業主婦の場合、生活費を稼いでくるのは夫の役目です。しかし、夫も妻が家のことを何もかもこなしていたからこそ、生活費を稼ぐことに注力できたのではないでしょうか。そこに心を置いている夫はあまりいないような気がします。
一度でも仕事と家事を並行して行った経験のある人なら、家に帰ったときにお風呂が湧いていて、食事の支度ができていることのありがたさを身にしみて感じるはずです。それくらい、仕事をして家に帰り、すぐに家事をするのは大変です。
しかし、私たちから上の世代の男性は、家事の重要性をわかっていないことが多いようです。家事はやってあって当たり前だから、特に感謝の気持ちは表しませんが、やっていなければ、相当の文句を言うわけです。
我が家の夫の場合
私の夫は、私が文句を言うと(結婚当初、私たちは共働きでした)こう言っていました。
「俺はこういうこと慣れていないから」
「別に俺はお前に飯を作れと命令していない!勝手にお前が作って疲れてイライラしているから、もう俺も嫌になる」
「やって欲しいことがあるなら、ちゃんと口で言ってくれよ。そうしたら俺もやるから」
どれも聞くだけでもっとイライラする言葉でした。家事に慣れていないのは私も同じでしたし、そもそもなぜ私が段取りをして、夫に指示を出さなくてはならないのかがわかりません。
自分の言葉が家事をする主体性がないと白状していることに、夫が気が付かないのが忌々しくてたまりませんでした。お前が勝手に飯を作っている~と言われたときには、呆れ果てて2~3日、夕食を作らないでいたところ、夫は怒り狂っていました。
働いて帰ってきて飯もないのかよ!どういうつもりだ!
働いて帰ってきたのは私も同じなのです。そうして、私は夫と一緒に働きながら家庭を築くのを諦めました。
夫婦はどっちもどっち
私が家のことを何もかもやるから、夫だけが一生働けば良いんだと考えるようになったのです。
夫は多分今でも私が家事をしていることに対する感謝はありません。私が家事を好きだからやっていると思っている節さえあります。
しかし、私は夫に感謝を求めようとは思いません。このような経緯があって完全な分業制になった我が家です。私も夫に感謝の気持ちは抱いていません(きつい仕事で気の毒だとは思っています)から、どっちもどっちだと思っています。
バスの中の高齢夫婦にも、我が家のような(場合によってはもっとひどい)経緯があったのかもしれませんね。決してモラハラは許されることではありませんが、往々にして夫婦はどっちもどっちなのではないでしょうか。
完全分業制にはデメリットもあるよ
ただ、完全に家の中と外で分業制にしてしまうと、いろいろとデメリットがあります。夫の仕事がうまくいかなくなると、もうカバーする術がありませんし、夫が仕事をリタイヤした後の生活もなかなか大変になるようです。
つまり、1日中顔を突き合わせるのが諍いの原因になるわけです。家事・育児・介護・地域協力などのミッションを夫婦2人で力を合わせて乗り越える方が、家族としての団結力が高まって良いような気がします。
もう昭和時代に築かれた男は外で稼いで、女は家のことをする家庭像は壊れていくんだろうなと思うし、それでいいよとも思います。