珍しく、私と夫が一緒に見ていたドラマ「しあわせは食べて寝て待て」。
いよいよ来週の最終回を残すのみとなりました。今週は主人公・麦巻さとこの母が登場。仕事を辞めてマンションを引き払った麦巻さんを心配して、団地まで訪ねてきた母ですが、2人の関係はどこかギクシャクしているようです。
小さなことで距離が大きくなる
麦巻さんの母はコンビニのお惣菜を買って来ますが、麦巻さんはそれをほとんど食べられない。まだ持病と折り合いがつかない麦巻さんには、コンビニのお惣菜は重すぎたのかもしれません。
結局、言い争いのような形になり、来たばかりの母もほとんどお惣菜に手をつけずに帰ってしまいます。麦巻さんには母が病気のことを理解せずに、かつてのバリバリ働いていた自分のことばかり言うように思えていますが、母の真意は別のところにありました。
母は娘が難病と付き合う人生を送ることが認められない。娘が難病なのは自分が丈夫に産んであげられなかったからだと思ってしまうから。話の後半ではお互いにそれがわかり、親子が一歩近づいた感があります。
母と娘のギクシャクはほんの小さなことから始まった、ボタンの掛け違いのようなことが原因だったのです。ああ、こんなことでお互いの距離が大きくなっていたんだとわかったとき、思わず肩の力が抜けたような気がしました。
母親がアップデートできていないのも原因?
特に母は自分の子どもについては、いつまでもアップデートができません。ずっと小さい時と同じだと思ってしまう。麦巻さんの母が買っていったお惣菜は、どれも麦巻さんが子どもの頃の好物でした。
年数も経っているし、病気もあったしで、好物はきっと変わっているはずなのに、母はそこに思いが至りません。この母の姿も切ないな…と思いながら、見ていました。自分と重なるからかもしれませんね。
私も娘たちに「〇〇好きだったよね~」などと言って、しょっちゅう「それ、何年前の話よ?」と言われています。うん、小学生くらいに好きだと言ってたことを、今持ち出したりしているので、さすがに娘たちも戸惑うのでしょう(もう、アラサーだから)。
とにかく小さなことで離れたなら、小さなことで元の場所に戻れるかもしれません。すべての親子がそうなら良いのに。
もう戻れない場合も
また、私は元に戻れる日が来るかもしれないと思っていましたが、私の母は調子が悪くなってから、あっという間に亡くなってしまいました。
うまく行かないすべての親子がほんの少し、ボタンの掛け違いのような状態になっているだけ、と思えたらどんなに良いか…
私と母もそうだったのかな。それでも母が笑顔で私に言ったことは忘れられません。
子どもは大きな声で怒ればいいのよ。そうすれば言うことを聞くから。ウチだって大声で怒鳴ったらゆみこねこも弟もちゃんと勉強して、成績だってそれなりになったもの。
母の言葉を聞いて、私は何だか怖いと思ってしまった(まあ、他にもいろいろと怖い話があります)。だから麦巻さん親子の話は、私にとっては理想的なお話しなのかもしれません。一度離れたって、ちゃんと元に戻れるのは理想の関係と言うしかないです。
私と同年代の方は、同じように思って(理想の親子関係を求めて)このドラマを見るのかもしれませんね。いろいろな方がブログでこのドラマの感想を書いているのも、わかるな~と思います。
思うようにいかなかったことをいろいろと抱えている私たちアラカン世代。だからこそ、麦巻さんにはしあわせになって欲しいのでしょう。来週の最終回では、ぜひ心が暖かくなるようなラストシーンを見たいと思っています。


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