夫と見ていたドラマ「しあわせは食べて寝て待て」。今週で最終回を迎えてしまいました。
印象に残ったのは主人公・麦巻さとこが大学時代の同級生からの電話を断ったことです。この同級生、麦巻さんへの電話でグチをこぼすとスッキリして元気が出てくる、などと言っています。
麦巻さんは良かれと思ってグチを聞いてあげていましたが、それで自分が疲弊してしまうのです。それでも最初、友だちからの電話を断るなんて、自分は冷たい人間だと思ってしまった麦巻さんですが…
自分を大切にしているかな?
自分はやれるだけやったのだと思い、毅然として電話を断ることができたのです。そして断りのメッセージを送った後、やっと自分を大切に扱うことができた、と実感。そのことを大切な隣人・司さんに伝えます。
司さんは幼いときに父親が失踪、その後は祖母や母の介護を経験します。そのときに自分に生じた黒い感情(それは誰にでも生じるものだと思いますが)を忘れることができません。しかし、麦巻さんから伝えられた言葉が司さんの目を開きます。
『やれるだけやった』
そう思うことで、過去の自分を受け入れて、認めてあげる。そして、前に進むことができる。司さんは麦巻さんとの電話の後、麦巻さんたちが待つ団地に帰るのです(司さんは旅に出ると言って、団地から出ていっていた)。
誰かの言葉で回復できる
人間が弱っているとき、回復するためにはいくつかの方法があります。休息をとるとか、身体に良い食べ物をとるとか…どの方法も間違いではありません。
ただ、このドラマを見ていると、心のこもった誰かの言葉で、うずくまって動けなくなっていた人が前を向いて歩いていけるようになるんだな、と実感しました。そしてその言葉はことさらドラマティックではない、本当にちょっとした言葉でした。
このドラマは薬膳が随所に登場していましたが、多分薬膳だけではダメです。人間には人間の言葉が必要なのです。人間が立ち直るとき、柱が1本よりも2本、3本とあったほうがいいんだろうな、と思います。
それにしても、薬膳の力がジワジワと効いてくるのに比べて、麦巻さんの言葉の力はすごかったですね。即効性があるというか…団地に帰ってきた司さんの笑顔がそれを物語っていました。良い最終回だったと思います。


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