3月11日に何をしていましたか?

地震 季節

2011年の3月11日、私はPTAの役員をしていたため、翌日の卒業式の準備を手伝うために娘が通っていた中学校の体育館で掃除をしていました。

なかなか危機感が持てなかった私

やっと掃除が終わって、みんなでPTA会議室という部屋でくつろいでいたときに地震が起こりました。当時中学校は耐震工事が終わったばかりで、安心感があったため、私は席を立って避難をする気になれませんでした。大きな建物の中にいたせいか、そんなに大きな揺れも感じませんでした。

ただ、校内はとても騒がしくなり、そのうちに教頭先生が「お母さんたちも、避難して!」と指示を出してきました。嫌々校庭に避難をしましたが、そのときはただ『大げさだな~』としか思いませんでした。

家に帰ると、たまたま休みだった夫が心配のあまり怒っていました。メールをしたのに、何で返事をしないんだ、といわれましたが、私の携帯にメールはありませんでした。どうも電波状況が悪くなって、メールが届かなかった人、電話をかけても通じなかった人がたくさんいたようです。私は、たまたまメールが届かなかったとしか考えませんでした。

これが正常性バイアスなのか?

テレビでやっとことの重大さを知り、自分のとった行動が恐ろしくなりました。避難などすることない、とその場にとどまろうとした私の行動は正常性バイアスというものだったのではないかと気が付いたのです。

正常性バイアスは私たちが誰でも感じる「今回は大丈夫」、「まだ大丈夫」という気持ちのことです。これによって、私たちは自分にとって都合の悪い状況を無視したり、過少に解釈して避難する機会を逃してしまいます。

私は40年以上埼玉県に住んでいますが、もし私が住んでいたのが沿岸部だったら、と考えると、3.11の犠牲者の方々のことが自分のことだと思えてきます。過去にはいろいろな報道に接して、災害時になぜ避難しないのか、と不思議に思っていたことがありますが、私にはやっと理由がわかったような気がしました。

正常性バイアスについて知って欲しいい

今でも3.11というと自分ののらりくらりとした態度を思い出し、恐ろしくなってきます。みなさんは3.11に何をしていましたか?今どんなことを考えていますか?

どんな人も正常性バイアスというものについて、知っておいて損はないと思います。正しく怖がり、対処をするのはとても難しいことです。正常性バイアスの存在を知った上で、普段から危機への対処を考えておくに越したことはありません。

周りの人がまだ大丈夫、といい出したときにも、正常性バイアスの存在を知っていれば、説得しやすいのではないかと思います。自分だけでなく、周りの人も救えるかもしれません。

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