子どもが寝ぼけるのはよくある話ですが、私の夫は立派な大人なのに寝ぼけます。
まず、夜中に大きな声で寝言をいいます。ただの寝言ではなくて、怒鳴っているに近いです。
何回聞いても、ドキッとします。一番最初に寝言を聞いたのは、今26歳の長女が3歳くらいのときでした。
夫はもともと寝ぼける人！
夜中に大きな声で長女の名前を絶叫したので、長女はもちろん、生まれたばかりの次女まで泣き出して、それはそれは腹が立ちました。夢の中で長女が何者かにさらわれたそうで、必死に取り返そうとして叫んだんだ、と夫は私に説明しました。
その後、忘れた頃になると、必ず夫の怒鳴り声で起こされるようになりました。
不思議なことに私が黙っていると何度でも夫は怒鳴り続けますが、私が一言うるさい、と怒鳴り返すとそのまま黙ります。
今では長女も次女も成人して、別の部屋で眠っていますが、夫が怒鳴る声は娘たちの部屋までよく聞こえるそうです。夫の寝言の次の朝は、起きると必ず私文句をいうようにしていますが、夫はほとんど覚えていないので、自分には関係ないような顔をしています。
なぜ？部屋に水たまりが！
そんな夫が4年前の秋に仲間どうしで飲みに行って、かなり遅く帰ってきたことがありました。
夫が飲みに行くと、帰ってきたときにうるさくて、必ず起こされるのが嫌でしたが、その日は帰ってきたことに気づかずに私は眠っていました。次の日は夫の仕事は休みでしたが、私は入院中の母を見舞う予定があって、1人で先に起きたのでした。
先に起きると床がやけに滑りました。見ると夫の敷布団の足元あたりに、直径1mはありそうな水たまりができています。夫の敷布団も少し濡れているようでした。
家の中、それも夫婦が眠るだけの部屋に水たまりができるとは、不思議でしたが、私は水たまりを拭いて、病院に出かけました。
病院から帰った私は、部屋に水たまりができていたことを夫に話し、なんでだろうと問いかけました。夫はしばらく考えて、どうも自分が放尿したらしいといいだしました。そしてあっという間に自分の敷布団を捨ててしまったのです。
寝ぼけて放尿は、よくあること？
いくら寝ぼけるとはいえ、これは酷すぎると思いましたが、夫は眠っているときのことだから、自分にはどうしようもできない、といい張るばかりです。
考えてみれば私の父が、自分の父親（私にとっての祖父）の葬儀の際に、酒を飲みすぎて失禁したと母がよく文句をいっていましたし、知り合いの夫が、やはり酒を飲んだときにトイレではないところで放尿したという例がありました。母は随分後々まで、父の文句をいっていましたし、知り合いは自分の夫がトイレではないところに放尿しているのを見たときには、泣いたといっていました。
寝ぼけている人というのは、普段のその人とはかなり違います。その見覚えない人が、大きな声で怒鳴ったり放尿したりすると、気持ち悪いと感じることもやむを得ないように思います。
できればそんなことにならないように、普段から寝ぼける人は深酒をつつしむなどの対策をして欲しいです。
対策をしていても、放尿してしまうようなら、そのときはお医者様に相談しましょう。
睡眠時遊行症という心の病気から、トイレ以外の場所に放尿してしまうことがあります。
この病気の場合は、眠ったまま窓から転落したりする可能性もあるため、大変危険です。
夫と私の今
幸いにそれからは夜中に怒鳴り声で目覚めることはあっても、放尿騒ぎはありません。そして現在は夫の尿酸値が上がり、とうとう痛風の発作が起きました。夫が薬を服用するようになり、かなり酒を控えているために、不安は大幅に減っています（それまでは、どんなに私が意見をいっても、決して酒を控えようとはしませんでした）。
突発的なことであっても、部屋の中で放尿されると、こんなにも自分は動揺するのかと思いました。これでは将来、トイレの世話をするとき（もしくはされるとき）に困ってしまいますね。
私も少しは広い心を持たないといけないわけですが、夫の排泄のことまで考えたくないと思っている私もいるのが真実です。
やはり夫婦というのはきれいごとでは済まされないものです。同じ部屋に寝るようになって28年、また子どもの頃のように1人で寝たいな～、などと思っています。
