年齢のせいか、ど忘れをします。人の名前はもちろん、食べ物の名前までとっさに出てこないことがあります。大変気持ち悪いですが、仕方がないと半ば諦めています。
私は次女を出産した年に、物忘れのせいで失敗をしたことがあります。この失敗は、忘れられないので、まだ私も完全にボケたわけではないのだと思うのです。
夫からもらった1万円を…
次女を出産した年、1996年、休日には家族全員で買い物に行くのがお決まりでした(なんでそんなことをしていたんだろう…)。買い物をしている途中で、私は財布の中身が大変寂しいことに気が付き、夫にお金をおろしてくると言いました。夫はこれを使いなよ、と1万円札を私に渡しました。
ありがたく受け取り、レジに並んで財布を開けると、さっきもらったはずのお札がどこにもありません。夫は確かに私が受け取ったと言い、私もそこまでは覚えているのですが、その先どうしたのかを覚えていませんでした。
お札を受け取った場所に戻ってみましたが、落ちているわけもありません。たとえ落とし物として届け出を出しても、お札に名前が書いてあるわけでもないので、夫は早々に諦めようと言いました。
今でも1万円は我が家にとって大きな金額です。四半世紀も前ならなおさらです。私は夫に返事ができませんでした。夫は普段私に文句ばかりを言うのですが、そのときは文句を言わずにこう言って笑ったのです。
仕方がないよ。俺がパチンコですったと思えば良いよ。他の誰かが有意義に使ってくれるかもしれないよ。
物忘れと失敗の数年間
当時、私は次女の授乳や夜泣きで夜もよく眠れていませんでした。昼間ぼ~っとしている事もありましたが、いくら何でも手渡されたお札をそのまま落としてしまうとは考えられませんでした。当時私は32歳。物忘れが気になるのには早すぎました。
しかし、その後も数年間、私は失敗し続けました。洗濯をするのに洗剤がない、とコンビニに駆け出したのは良かったのですが、子どものお菓子ばかりを買って、肝心の洗剤を買うのを忘れたり、出かける直前に鍵がない、と探し回った挙げ句、入れた覚えのない財布の中から見つかったりしました。
それまでは覚えていたはずの暗証番号がどうしても思い出せなくなって、キャッシュカードを使えなくしたこともあります。度重なる失敗と物忘れに本当に自分のことが怖くなるくらいでしたが、失敗する度に何か工夫できることはないかと考えました。
買い物ならメモを持っていくことで、買い忘れが防げました(ただし、メモ用紙1枚を持って買い物に行くのは失敗でした。メモ用紙が行方不明になったり、そもそもメモを確認するにを忘れたからです)。鍵は玄関に専用の置き場を作りました。暗証番号は危険だと言われるかもしれませんが、覚えやすい番号を使うようにしました(番号を忘れてカードが使えなくなるのでは、本末転倒だからです)。
自然と気にならなくなった
そんなことをしてその場をしのいでいるうちに、気がつくと子どもたちは成長して、私の生活はまた落ち着きを取り戻しました。そして気がついたのです。物忘れやそれに伴う失敗が以前よりずっと減っていたのです。
先程も言ったように、現在は加齢のせいでまた物忘れやど忘れが気になっていますが、そのせいで何かを失くしてしまったことはほとんどありません。実害はないと考えて、顔にシミやシワができるのと同じだと思うようにしています。
夫もしょっちゅう言葉が出て来なくて四苦八苦している様子ですから、私だけではないのです。今またメモは欠かせないものになりました。紙のメモは行方不明になりますから、スマホをメモとして愛用しています。
その時々で工夫していく
スマホのメモは目的を達成したらチェックして、項目を消すことができます。これでメモしたのに、買い忘れたなどということはほとんどなくなりました(メモに書くのを忘れることがありますが、それはどうすべきか検討中です)。
暗証番号1つで騒いでいた私ですが、現在はパスワードやIDという存在があります。もちろん放っておくと何がなんだかわからなくなりますから、パソコンやスマホに保存するだけでなく、紙の一覧表にもしてあります。
以前そうしたように、また工夫しながら乗り切っていければ、と思っています。この工夫を一々考えずにできるようになれば、普通に生活しているのと変わらないのではないでしょうか。小さな失敗なら気にしないことも大切です。私は、1万円札を失くしたときのことを考えて、大抵のことは『まあ、いいや』と思うようにしています。
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