買い物に行ったときに、アイスを買いました。
アイスを買ったときは、急いで帰らなくては、と思うせいでしょうか。私からは緊迫感がにじみ出ていたのかもしれません。
店員さんがアイスを落とした!
それがレジの店員さんにも伝わったのか、焦ってアイスを1つ床に落としてしまいました。
店員さんは大慌てで、何度も謝ってくれました。店員さんとの間は透明なシートで隔てられていますが、それを乗り越えて、店員さんの気持ちがひしひしと伝わって来ました。
そのアイスはプラ製の容器に入っていて、軽く落としたくらいでは何の不都合もありませんが、店員さんはこう言いました。
申し訳ありません!すぐお取り替えします。
落としたから、汚いということでしょうか。私は結構ですと申し出を断りました。更に店員さんは謝り、ちょっと居心地が悪くなるほどでした。やはりこのご時世なので、衛生に気を遣うのが当然なのでしょうか。
まあ、店員さんとしては取り替えると言うのが正しい接客でしょうが、私としては、「お取り替えしましょうか?」でも、良かったなと思います。
アイスの中身はなんともなかった
しっかりした容器は中のアイスを守るためにあるのだと私は思います。もし容器にウイルスなどが付いたとしても、中のアイスには関係ないように思うのです。
落としたのが玉子や豆腐で、割れたり崩れたりしたら、私も取り替えて欲しいと思いますが、そうではないのですから、取り替えてもらう理由がないのです。
その日のオヤツにアイスを食べましたが、当然味に変わりはありませんでしたし、今のところ身体にも影響はありません。
それにしても昔のアイスはもっと簡単な容器に入っていました。今のように密閉されていなかったのです。もし、今回のように落とされていたら、中身が飛び出てしまったかもしれません。
令和の世の中で良かった、そう思わずにはいられません。今はしっかりした容器を作る技術が発達して、中に入れるものは昔に比べて守られるようになりました。
衛生に気をつけても駄目なときは駄目だから
作られた食品は1つでも無駄を少なくして、食べる人の口に入るのが理想です。ところが容器を作る技術が発達するのと一緒に、私たちの衛生観念も発達してしまいました。
衛生的なのは良いことで、これで日本からかなり感染症は減ったのだと思います。特に今回新型コロナが流行して、前にも増して衛生ということが強く言われるようになりました。
不潔よりは清潔な方が良いのは言うまでもありませんが、私たちは清潔だからと言って、必ずしもコロナから逃れられたわけではありません。それなのに、みんながコロナでピリピリしていて、スーパーに行っても商品に手を触れるのにも気を使います。うかうか商品を選んでいられません。
しかし、本来人間は衛生的ではないはずです。飛沫を飛ばす、ウイルスを撒き散らすと言われますが、それがすべて止まるときは人間が死んでしまうときです。死んでしまえば飛沫を飛ばすことはできません。人間が衛生的ではない、それは生きている証拠です。
だから私は汚いかどうかだけを気にしても仕方がないと思っています。どこかで不潔さとも折り合いをつけないと、人間は生きていけないのではないでしょうか。今から少し前に、日本人が除菌ばかりしているため、寄生虫は大幅に減ったけど、その分アレルギーなどが増えてしまったという説を聞いたことがあります。
不潔さと折り合いがつけられない人間は遅かれ早かれ滅びてしまうのではないか、などと考えながら落ちたアイスを食べました(家族に勧める気にはならないので、自分で食べました)。
なんだかんだ言いましたが、取り替えや謝罪に時間がかかって、アイスが溶けてしまうのが怖かったというのも、私が落ちたアイスをそのまま受け取った理由でもあります。みなさんなら、やはり取り替えてもらいますか?