母の言葉の真意

いつかは穏やかなときが来る 実家

私の母は、子どもに対してよくネガティブな言葉を口にしていました。
「子どもなんか生むんじゃなかった」
「子育てに失敗したから、もう1度やり直したい」
こんな言葉はいつから聞いていたのか、あまりに日常的だったので、もう覚えていないくらいです。

殺したい、と言った母

最後に母のこんな言葉を聞いたとき、私はすでに結婚して子どもを生んでいました。電話で私と話していた母は、こんなことを言ったのです。

もう〇〇(私の弟の名前)と一緒に暮らすのは無理。いつまであの子のパンツを洗わなきゃならないの?〇〇を殺して私も死にたい…

弟は20歳のときに入学した専門学校が合わずに中退しました。それからはなかなか定職につかず、ずっと家にいたのです。年金も保険も自分で払うことができず、母が肩代わりをしてやっていたようでした。

その期間はかなり長いもので、周りの同級生たちは次々と進学、就職、そして結婚していきました。比べたくなくても、どうしてもそれらの華やかな姿と自分の息子を母は比べずにはいられなかったでしょう。

今になって気持ちがわかるような…

私はそれは止めた方が良いだろう、と言っただけでした。身体の小さな母と体格の良い弟では勝負は見えていると思ったのです。しかし、今になると母の気持ちも少しわかるような気がしてきました。

現在私の娘たちも先が見えない状態です。人生が膠着していると言っても良いかもしれません。それが私には結構辛いです。ずっとこのままなのか、この先どうなるのか、不安になるのです。

この不安をいくら解消したくても、今日明日中になんとかなるものではありません。この気持ちが母の「殺したい」という言葉になったのではないかと今は思うのです。

同じく「子どもなんか生むんじゃなかった」、「 子育てに失敗したから、もう1度やり直したい 」というのも、実は自分を責める言葉ではなかったでしょうか。自分には子どもを生む資格がなかった、自分の子育てが悪かったから、申し訳なかったという気持ちが、こんな言葉になったように思えます。

今ならもっと親身に聞けそうだけど

私は娘たちが現在の状態になって数年経ってから、何となく母の気持ちがわかるような気になりました。母は亡くなる直前まで弟の弁当を作り、弟の行く末を心配していました。

弟は母が亡くなった後に縁あって結婚しました。無事に幸せに暮らしていますが、母はそれを知らずに亡くなったわけです。自分が死んだ後までも、子育てにはどんな結果がでるか分からない、そう思うと私もこんな状況でもまあ、仕方がないかと思うのです。私が死んだ後で、状況が好転することもあるかもしれません(逆もありますが)。

それにしても、今ならもっと親身に母の言うことを聞けるのに、と思うと残念な気もします。

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