かつて我が家では年賀状は50枚ほど書いていました。学生時代の友人や会社員だった頃の知人、親戚などに一生懸命に送っていました。夫と私は同じ学校の卒業生なので、夫の友人にも私が送っていましたが、いつしかバカバカしくなりました。
自分で一言添えたら?と言う私に夫はこう答えたのでした。
じゃあ、放って置いて。年賀状は出さなくていいよ。
今年は同級生から1枚も届かなかった
こうして夫は毎年年賀状をくれていた同級生たちに、年賀状を出すのを止めてしまいました。それでも10年以上夫宛の年賀状は届いていたのですが、気がついたら今年は1枚も届きませんでした。夫は年賀状を止めてしまったわけです。
私なら自分が出していないのに、毎年年賀状が届いたら悪いと思って出してしまうかもしれません。しかし、それをしてしまうと元の木阿弥で、また延々と年賀状だけのやり取りが続くのでしょう。その点、夫は偉かったと思います。
私は友人と親戚合わせても10人に満たない人数の人たちと年賀状のやり取りをしています。夫のように止める踏ん切りがつかないということもありますが、実は他に事情があります。
長女の友人のため
長女の友人が郵便局でアルバイトをしていて、未だに年賀状のノルマがあると言うのです。何枚でも構わないため、年賀状を買ってあげて欲しいと言われて、一昨年と昨年には仕方なく長女と合わせて10枚年賀状を買っています。
私は10枚買ったところで、何かの足しになるのかと長女に尋ねたところ、買ってもらった事実が大切だから、たとえ10枚でもまったく買ってもらえないよりは、その友人は助かるのだとの答えでした。これは本当なのでしょうか。
しかし、アルバイトにまで年賀状のノルマがあるとは、何だかひどい話だと思いました。かなり前から正社員(郵便局は正職員なのか?)のノルマについては聞いていました。学校でボランティアをしているときに、夫のノルマがキツイので助けてくださいと言っている女性もいました。
そのときは実家の分も一緒に100枚ほど頼んだのでしたが、とても感謝していただいた記憶があります。そのときは正社員は多少仕方がないのかとも思いましたが、今でも状況は変わっていないのだと実感しました。
しかし、状況は刻々と移り変わっています。紙での年賀状はもっと廃れるのかもしれません。今年のお正月、実家の弟への挨拶はラインを使いましたが、それで十分だと言う気もします。私と同じように思う人も多いのではないでしょうか。
年賀状だけの関係はかえって寂しいから嫌だ
それでも、郵便局員のノルマだけはそのまま残ってしまったら、これは悲劇だと思います。ノルマを課すだけでなく、郵政の偉い人たちは年賀状を出す人が減っている理由を考えた方が良いのではないでしょうか。
私は年賀状だけの付き合いは、かえって寂しいな、と思っています。いつか会えると思うから、今年は会おうね、などと書いて年賀状を送っていました。いい加減に本当に会う気もないのに、一言添えるのも添えられるのも疲れてきました。
それにもし本当に会えるのなら、懐かしさと嬉しさで年賀状をやり取りしていたかどうかは問題ではなくなるはずです。頻繁に顔を合わせる関係なら、そもそも年賀状は不要でしょう。でも、また来年頼まれたら、10枚くらいだからと買ってしまうんだろうな…
おかげですっきりしない年末年始です。