昨日、知人からかつて私の実家があった地域で騒ぎが起こっているよ、と言われました。私は何も知りませんでしたが、全国放送のニュースでも報道していると言います。
確かに夕方のニュースでも翌朝のニュースでも、報道しており、画面には懐かしい場所が映っていたのです。その懐かしい場所とは私が45年前に卒業した中学校です。
卒業以来、中学校には行っていない
夫が卒業した中学校と私が卒業した中学校は同じ市内にあります。夫が卒業した中学校には娘たちが通っていたため、何かと足を運ぶ機会がありましたが、私が卒業した中学校には何の用事もなかったため、卒業以来多分1回位しか行っていないと思います。
その母校が大きな画面いっぱいに映っているわけです。あまりにも久しぶりすぎて、最初は何も感じませんでしたが、しばらく見ていると、校門も校舎も昔のままで、記憶が徐々に蘇ってきました。
校庭で異臭騒ぎが起こり、部活動の朝練中だった生徒20人以上が体調不良を訴えて救急搬送される事態になったため、今回報道されることとなりました。不審物は発見されていないし、校内から薬品がなくなった形跡もなかった、つまりは原因不明ということです。
体調不良に陥った生徒たちには申し訳ありませんが、思わぬところで母校と再会できて、少し嬉しく感じられました。
2015年に実家の母が亡くなり、その後弟も結婚して、私が子ども時代を過ごした団地はすでに誰も住んでいません。すでに実家がなくなっているため、その近辺に足を向けることもありません。
ただ、見に行くことってできる?
別に母校が見たければ、勝手に出かけて行って見れば良さそうなものですが、ただ単に見るためだけにわざわざ車を30分以上運転する気にはなれません。
それに用もない私が母校の前に立ってじろじろと見物してれば、不審者扱いを受ける恐れもありますから、あえてそんなことをする気分にはなれないのです。
だから、少々不謹慎ではありますが、私としては母校をじっくりと見る良い機会をもらったような気がしたのです。実際に自分で出かけて行って見るよりも、じっくりと時間をかけて母校を見ることができました。
久しぶりの母校に思うこと
ただ、じっと母校を見ていて思ったのですが、60年の人生の中で中学校に通ったのはたったの3年間です。強い影響を受けたような気がしても、長い人生のほんのいっときです。
地方都市の小さな中学校ですが、私の前にも後にもたくさんの人間が母校を通過したことでしょう。そのたくさんの人間が様々な人生を歩んでいます。
そのときは中学校の中が人生のすべてであるように思っていましたが、先をどんどん歩んでいくと、どこの中学や高校を卒業したかは、関係がなくなるのかもしれません。
そんなことに気がついたのも、久しぶりに母校の姿を見たからです。やはり良い機会をもらったのだと思います。
私が60歳になるなら、同級生もみんな60歳。何人かは今回のニュースに気がついたでしょう。みんなはどんなことを思ったのでしょうか。周りは畑しかない中学校でした。当時はゴボウの栽培が盛んで、NHKの「明るい農村」という番組で紹介されたこともあったのです。
クラス内では「今日の”農村”見た~?」などと言って、みんなで盛り上がったことを覚えています。何でも、今回の異臭騒ぎ、畑に撒いた農薬が原因かもしれないと言われています。早く原因を特定して、生徒たちが安心して通学できることを願っています。