医療従事者の方々に、感謝の気持ちとエールを贈るためのフライデーオベーションという行動が話題になっています。
本当に拍手で感謝の気持ちが届くのか
現在はコロナ騒ぎの中でも、休まずに仕事をしてくださっている交通機関や流通機関で働く人のためにもフライデーオベーションは行われているようです。実際には、金曜日の正午に人々が感謝の気持ちを込めて、一斉に拍手をします。もともとは海外で始められた行動が、コロナ騒ぎが長くなるにつれて日本国内でも行われるようになりました。
特に医療従事者の方々は日夜自分が感染するかもしれないという危険と隣り合わせで仕事をしています。本人だけでなく、医療従事者を家族に持つ人は、きっと不安なことでしょう。自分と無関係の誰かを助けるよりも、家族のために仕事を辞めて家にいて欲しいと考えることもあるのではないでしょうか。それに、医療従事者の家族は、いわれのない差別を受けることもあるそうです。
そんな話を聞くにつけ、最前線で働く方のために何かをしたいと考えるのは当然のことだと私も思います。でも、フライデーオベーションよりももっと先にやることがあるはずです。
まずは不足品を解消して!
まずは消毒液、マスク、フェイスシールドや防護服の不足を解消することが必要だと思います。最低限、身を守るために必要なこれらのものが揃わない中で、いくら励まされても、それは最前線で働く方々に届くでしょうか。
使い捨てのマスクを何回も洗って使う、防護服の代わりに雨合羽やゴミ袋を使うというのではあまりにも気の毒です。この状態のまま、いくら励まされたところで何の足しにもならないでしょう。
政治家の人たちは国民のフライデーオベーションを見て、これだけではダメだ、まずは不足品を届けよう、とは思わないのでしょうか。医療従事者の方々だけでなく、交通、流通などテレワークができない、私たちの生活に欠かせない職業の方々には、最低限自分の身を守れるようにするのが政府の努めだと思います。人間らしく仕事ができて、初めて励ましの拍手が皆さんの心に届くことでしょう。
本当の励ましを届けたい
最近、有名芸能人がマスク○万枚寄付した、などと報道されています。一個人にできることがなぜ政府にできないのか、私にはわかりません。私たちに必要なのは、拍手をすることでなく、政府を動かすことなのかもしれません。
政府を動かす、そんなことはなかなかできそうもありません。でも、働く方々に負担をこれ以上かけないようにすることはできます。それは体調に気を付け、医療機関のお世話にならないように生活することです。買い物や玄関先の応答にはできる限りマスクを着けて、店員さんや配達員の方への感染リスクを減らすことです。そして差別的な発言があったら、見て見ぬ振りをしないことです。
フライデーオベーションはよいことに違いはありませんが、今のままでは私は違和感しか覚えません。実のある本当の励ましを届けるためにはどうしたらよいか、考えてみませんか?