先日テレビに堀ちえみさんが出演していました。舌がんの大きな手術を受けたということですが、とてもリハビリを頑張られたのでしょう、かなり上手に喋っているように感じられました。
ガン家系だって、気にしない
舌がんの始まりを、口内炎だと思い込んでしまったということでしたが、それとともにガンは遺伝的な要素が大きいと思っていたということも堀さんは話していました。自分の周りにガンの人はいないから、自分はガンではないと思っていたそうです。
実は私の家系はガンの人が多いです。両親、祖母、2人の伯父、叔父などがそれぞれ違うガンになりました。叔父を除いてすべて亡くなっていますが、若くして亡くなった人は1人だけだったので、私はあまり気にしたことはありませんでした。年を取ってくれば、細胞が変異するのも仕方のないことではないかと思うのです。
つまり堀さんも私も、とにかく理由を付けて、自分とガンは関係ないと思いたいもののようです。特に舌がんは情報量が圧倒的に少ないのではないかと思います。私や堀さんの年齢で、子宮がんや乳がんの話は聞いたことがあっても、舌がんの人に出会うことはまれなのではないでしょうか。だから余計に、おかしいと思っても、まさかガンになっているとは考えないのでしょう。
実は舌がんについて知っていた私
でも、実は私はずっと昔に舌がんという名前を聞いたことがありました。私が高校1年生のときですから、今から40年前の話です。学校からの帰り道、中学のときの同級生に偶然出会いました。入学したばかりで、まだ中学校が懐かしかったのもあって、しばらく話をしましたが、ふと思い出したように彼女がこういいました。
この前、歯医者さんが口内炎を見て、これは前癌状態だから、すぐに切除しましょうっていったんだ。今なら間に合いますから、なんていうんだよ~。
そのときの話で私は初めて、前癌状態ということ、舌にもガンができるのだということを知りました。病院に通っているのか訪ねましたが、彼女はもうすっかり大丈夫で、普通の生活をしているといっていました。堀さんの話を聞いているうちに、ドンドン彼女のことが思い出されてきました。今、彼女が元気でいるなら、やはり堀さんの話を聞いて、複雑な思いをしているのではないでしょうか。
かつて堀さんのブログに心無いコメントを書き込んだ人がいましたが、その人も舌がんというものの存在を知らなかったのではないかな、と考えさせられました。
気をつけるためには、正しい知識に触れることが大切
堀ちえみさんが出演していた番組は「名医とつながる!たけしの家庭の医学」の最終回でした。病気を知らないが故に悪化させてしまうことや、偏見が生じることを防いでくれるよい番組だったと思います。
私は父が脳卒中で倒れたときに、対応を間違えて悪化させてしまった思っているので、この番組で正しい知識が広まることを大歓迎していました。最終回というのは本当に残念です。
ガン家系でも、実は過去に知っていても、病気のことは素通りしてしまうのが人間の常のようですから、こんな番組で何度でも注意喚起をしてもらいたいものです。最終回の堀ちえみさんのお話はかなり真剣に見てしまいました。きっと同じような人がたくさんいるのではないでしょうか。