夫の弟が勤めていた会社を退職するにあたり、今住んでいる部屋から退去しなくてはならなくなりました。結局彼は、自分の生まれ故郷である私たちが住む埼玉県内の街に帰ってくることになりました。
私と夫は弟の抱えている事情が多すぎるため、部屋探しは難航するだろうと予想していました。持病があること(糖尿病、脳梗塞)、精神疾患を抱えていること、そしてそれが原因で会社を退職せざるを得なくなったこと、貯蓄もそれほどないことなど、部屋を借りるための審査に通らないのではないかと思っていたのです。
ところが実際は、なかなか審査にまで至らなかったようです。
不動産会社の社員に警戒される?
昨日は夫のしごとが休みだったため、また弟と部屋の内覧に行きました。紹介された部屋が気に入らなかった弟は、不動産会社の社員に向かってこんなことを言ったそうです。
ここは、大きな道路が近くて、騒音が気になります。私は睡眠障害なので、この部屋では余計眠れなくなりそうです。
言われた社員は、「何かご病気なのですか?」と尋ねてきたため、弟は洗いざらい自分のことを精神疾患についてまで喋ってしまいました。すべてを聞いた社員は「家賃を払い続けるよりも、この辺りなら買ってしまうのも手ですよ」と言っていたそうです。夫は、それは部屋を借りるのは無理と言われたような気がしたようです。
精神的な疾患を持っている人をどうこう言うわけではありませんが、部屋を貸す側からすれば、どんな人がやって来るかわからない以上、なるべくトラブルになる因子は取り除いておこうと思っているはずです。弟のように、自分から洗いざらいべらべらと喋ってしまうのでは、なおさら警戒されたかもしれません。
まるで言うことを聞いてもらえない
2人になったときに、夫が「精神的な病気のことまでべらべら喋ることはないよ。身体の病気のことをちょっとだけ話せばいいだろう」とたしなめたそうですが、弟は言うことを聞くどころか、何で喋っちゃいけないんだ、と気分を害してしまったということです。
その後も見る部屋にすべて弟は、狭いとか日当たりが悪いなどの文句をつけ続けました。夫には弟は自分が置かれた状況がまるでわかっていないように見えたようです。
2月の末には今住んでいる部屋を退去しなくてはならない(会社の借り上げ社宅だからです)、実家はすでに老朽化で取り壊されている、早く転居先を見つけなければ、弟の行き場はなくなります。
弟は仕事をしなくなってから随分経ちますし、会社にいた頃も最後は降格処分されたような状態で、正社員ではなくなってしまったそうです。自分の置かれた状況はもう十分にわかっていても良いでしょう。夫は、弟をなだめすかしながら部屋の内覧をして、帰りはまた埼玉県内から都内の弟の部屋まで車で送って行きました。
疲れ果てて帰宅した夫はとても失望していました。もう、どうにもならないかもしれない、そんな不安が夫にもあったのでしょう。どうにかなると思わなくては、やっていられない、と言ってはいましたが。
最後の手段は?
今後も部屋が借りられなかったら、最後は不動産会社の社員に言われた通り、団地の一室を購入することになるかもしれません。我が家の近辺には築50年ほどの団地があります。そこなら、手が届くかもしれません。
弟の名前で契約できなければ、最悪自分がが購入して(もちろん金は弟に出してもらうのです)弟に貸しても良いと夫は言っていました(そんなことできるのかと思いましたが、購入したものを貸すのは合法だそうです)。ただ、名義が夫なら固定資産税などは我が家に請求が来ます…
ただし、本人が何と言うかはわかりません。何しろ古い団地ですし、圧倒的に家族で住んでいる人が多いため、単身の弟には住みにくいかもしれません。
しかし、もう文句を言っているときではありません。それとも、実際に路頭に迷ってみないと弟にはわからないのでしょうか。